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関係:忍者と姫
場所:夜の姫の部屋
内容:寝苦しさに目がさめた姫は毒に侵されていた。そこに彼が現れる。解毒液を飲めない姫に彼がとった行動は――。
風邪がほぼ治りました。喉が痛いと新たに病院で薬をもらったわけですが、すごい効き目。昨日は熱いくらいに喉がイガイガしてたのに。嬉しさのあまりSSを書いてしまいました(笑)
忍者と姫を久しぶりに書こうと思ったのは、子持ち主婦な友人がくれた前回のSSの感想のせいです。彼女的には前回のSSは微妙だったみたいです。「忍者の彼みたいにあまり話さないほうが好きだな」と言いやがった(笑)ので忍者と姫を久しぶりに書いてみました。
毒ネタはいつか絶対に使うことになるだろうなと思っていましたが、まさかこんな簡単に書くことになろうとは……。しかも○○で解毒を飲ませるなんて少女漫画展開の王道(笑) まあ、王道ながら忍者の彼らしさを出したつもりです。
意外と友達間でもネットでも好評な忍者もの、楽しんでいただければ嬉しいです。
場所:夜の姫の部屋
内容:寝苦しさに目がさめた姫は毒に侵されていた。そこに彼が現れる。解毒液を飲めない姫に彼がとった行動は――。
風邪がほぼ治りました。喉が痛いと新たに病院で薬をもらったわけですが、すごい効き目。昨日は熱いくらいに喉がイガイガしてたのに。嬉しさのあまりSSを書いてしまいました(笑)
忍者と姫を久しぶりに書こうと思ったのは、子持ち主婦な友人がくれた前回のSSの感想のせいです。彼女的には前回のSSは微妙だったみたいです。「忍者の彼みたいにあまり話さないほうが好きだな」と言いやがった(笑)ので忍者と姫を久しぶりに書いてみました。
毒ネタはいつか絶対に使うことになるだろうなと思っていましたが、まさかこんな簡単に書くことになろうとは……。しかも○○で解毒を飲ませるなんて少女漫画展開の王道(笑) まあ、王道ながら忍者の彼らしさを出したつもりです。
意外と友達間でもネットでも好評な忍者もの、楽しんでいただければ嬉しいです。
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++ 毒 ++
夜、突然襲ってきた寝苦しさに目を覚ました。
体は熱く、視界はぼやけ、頭は考えることを放棄している。
ただ、わけもわからず夜具をかきむしった。うつ伏せになって辺りを這う。
私の手に冷たいものが触れた。誰かが暗い中にしゃがみこんで私の手をとっている。
「だ、誰……?」
そう口を開いた瞬間、こじ開けるように冷たい指が入ってきた。顔を寄せてきた誰かが、私の口から出る息を吸い込んでいる。
「この匂い……毒か」
低い声は愛しい彼のもの――。
体の苦しみはいぜんと続いているものの、助かった、となぜか私は安堵した。わけもわからず這い回ろうとしていた体から力が抜ける。
「苦しい、の……助けて……」
彼が私の体を仰向け、口の中に何か液体を流し込む。
突然の異物に咳き込んだ。飲み込まれることなく液体は口から飛び出す。
飲めなくてごめんなさい、の言葉さえも声にならない。ただ、口が動くだけ。
突如、視界が闇に包まれた。目を閉じてはいない。唇は何かに塞がれていて、さらに、温かい何かが歯の間に割り込み、飲み込めと言わんばかりに液体を口内に押し込んでいる。飛び出すことを許されない液体は無理やり喉を通っていった。
風が頬を撫でる感触で目がさめた。寝苦しさに目覚めた時とは違う体の爽快感。体中が汗ばんでいた。
外は相変わらずの闇。その中に彼が座っている。
夜具から手を伸ばしてみたけど彼には届かない。あの時のように私の手をとることなく、彼はただじっと座っていた。
あの時、液体と共に口内にあったのは彼の唇、そして舌――。ただ、感触はもう思い出せない。
「あなたの唇……だったのね。ありがとう」
「……知らぬ」
ただの謙遜か、それとも本当にあれは彼のものではなかったのか。
解毒のためとはいえ、あれは確かな口づけ。私はそれを再び求めていた。
「また、してほしいの」
影が座ったまま、にじり寄ってくる。月明かりにうっすらと彼の顔が浮かび上がる。口角がわずかに上がっていた。笑っているのだろうか。
「我が毒を仕込んでいても?」
「それでも……」
「再び、苦しむ」
「かまわない」
手を精一杯伸ばして彼を求めた。
冷たい彼の手が、空をつかんでいた私の手を捕らえる。
今度は、はっきりと少し荒れた唇の感触を味わうことができた。
彼の唇が離れた瞬間、私の口が自然と笑みを浮かべる。
「私はまた毒に苦しむことになるの?」
「知らぬ」
立ち上がった彼は、その言葉だけを残していなくなった。
目がさめた時、また苦しみが私を襲っているかもしれない。
でも、今は彼の唇の甘い毒に包まれていたい。
月を見ながら、私はそっと目を閉じた――。
―了―
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読んでくださってありがとうございます。よかったらコメント欄などから感想の声を聞かせてください。
++ 毒 ++
夜、突然襲ってきた寝苦しさに目を覚ました。
体は熱く、視界はぼやけ、頭は考えることを放棄している。
ただ、わけもわからず夜具をかきむしった。うつ伏せになって辺りを這う。
私の手に冷たいものが触れた。誰かが暗い中にしゃがみこんで私の手をとっている。
「だ、誰……?」
そう口を開いた瞬間、こじ開けるように冷たい指が入ってきた。顔を寄せてきた誰かが、私の口から出る息を吸い込んでいる。
「この匂い……毒か」
低い声は愛しい彼のもの――。
体の苦しみはいぜんと続いているものの、助かった、となぜか私は安堵した。わけもわからず這い回ろうとしていた体から力が抜ける。
「苦しい、の……助けて……」
彼が私の体を仰向け、口の中に何か液体を流し込む。
突然の異物に咳き込んだ。飲み込まれることなく液体は口から飛び出す。
飲めなくてごめんなさい、の言葉さえも声にならない。ただ、口が動くだけ。
突如、視界が闇に包まれた。目を閉じてはいない。唇は何かに塞がれていて、さらに、温かい何かが歯の間に割り込み、飲み込めと言わんばかりに液体を口内に押し込んでいる。飛び出すことを許されない液体は無理やり喉を通っていった。
風が頬を撫でる感触で目がさめた。寝苦しさに目覚めた時とは違う体の爽快感。体中が汗ばんでいた。
外は相変わらずの闇。その中に彼が座っている。
夜具から手を伸ばしてみたけど彼には届かない。あの時のように私の手をとることなく、彼はただじっと座っていた。
あの時、液体と共に口内にあったのは彼の唇、そして舌――。ただ、感触はもう思い出せない。
「あなたの唇……だったのね。ありがとう」
「……知らぬ」
ただの謙遜か、それとも本当にあれは彼のものではなかったのか。
解毒のためとはいえ、あれは確かな口づけ。私はそれを再び求めていた。
「また、してほしいの」
影が座ったまま、にじり寄ってくる。月明かりにうっすらと彼の顔が浮かび上がる。口角がわずかに上がっていた。笑っているのだろうか。
「我が毒を仕込んでいても?」
「それでも……」
「再び、苦しむ」
「かまわない」
手を精一杯伸ばして彼を求めた。
冷たい彼の手が、空をつかんでいた私の手を捕らえる。
今度は、はっきりと少し荒れた唇の感触を味わうことができた。
彼の唇が離れた瞬間、私の口が自然と笑みを浮かべる。
「私はまた毒に苦しむことになるの?」
「知らぬ」
立ち上がった彼は、その言葉だけを残していなくなった。
目がさめた時、また苦しみが私を襲っているかもしれない。
でも、今は彼の唇の甘い毒に包まれていたい。
月を見ながら、私はそっと目を閉じた――。
―了―
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プロフィール
HN:
水月
性別:
女性
自己紹介:
年齢:30代前半
在住地:近畿地方
執筆歴:15年ほど
執筆ツール:WinXPノートパソコン
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