寺

今日（あ、もう昨日になる）、祖母の納骨のため東本願寺に行ってきました。代表者の名前が呼ばれるのですが、千葉県や石川県や愛知県やら……いろんなところから来られるんですね～。びっくりしました。私は地元、親戚は隣の県で日帰りなのに……(笑)
おごそかな場所なのに、親戚と久しぶりに会ったせいで移動中も思い切り喋り倒すダメ大人。読経＆焼香の間、耳に心地よく響くお坊さんのお経を聞きながら不謹慎にもふと思いました。……僧侶との恋愛ってどうだろう？と(笑)
阿弥陀堂への移動中に「女性室」というのを見てしまったんですよね。妹と「お寺ってやっぱり女人禁制だから！？」とちょっと興奮。「男性室」っていうのはなかったのです。だからこそ、用途のわからぬその部屋の存在が妙な妄想を抱かせ……お経を聞き、数珠を手に合掌しながらも、悶々と妄想してました(笑)
ああ、でも、お坊さんを書くには知識がなさすぎる。祖母の葬式や法事でしかお坊さんと触れ合っていない。しかも、祖母関係で縁のあるお坊さんは熱狂的な阪神ファン。とても妄想はできない……。
まあ、実験的にSSを書くかもしれませんが、登場したら「ああ、あの日のせいか」と温かく笑ってやってください(^_^;)

某所でのとある方のリクエスト・その２

関係：教師と生徒
舞台：テスト前、科学準備室
内容：自分のクラスの担当ではない科学教師に科学を教えてほしいと頼む生徒
　　　(↑ちょっと説明が難しいのでわけがわからないとは思いますが……)

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　++ 教えて ++

「また来やがったか」
　科学準備室へ入った私を見るなり、コーヒーの入ったマグカップを置き、長身を活かして見下ろしてくる白衣の先生が一人。
「先生、教えてください」
　先生の態度に、本当の怒りがこもっていないことは知っているから怖くない。
　先生は、空席の机を苛立たしげに人差し指で叩く。
「お前は、どうして、担当の先生がいる時に来ないんだ？」
「私が来る時はいつもいないんです」
　何も言わず、しばらく指で机上を叩いていた先生は、やがてゆっくり頷いた。
「ああ、そうだ。いなくなるとお前が来る」あと二十分しか昼休みがないことをつげる時計を見上げ先生は、
「そして、俺の昼休みは奪われる」
　と続け、見せつけるようなため息をついた。
　奪われる、ということは今日も先生はきちんと質問に答えてくれるらしい。私のクラスの担当ではないのに。
「追い出せば？　担当の先生がいる時に来い、ってさ」
　先生がどう答えるのか興味があった。なにより、追い出さない先生の態度に少しだけ期待していた。
　自分の席に座った先生は、白衣のポケットからボールペンを取り出し、ヘッドの部分でこめかみを掻いた。苛々している様子は消えている。
「俺も科学教師だからな……。担当じゃないから追い出す、なんて大人げないことはしないさ」
「じゃあ、今日も教えてくれる？」
　ボールペンで机の空いたスペースを叩く先生。教えてやるからさっさとしろ、と言っているような気がした。
　隣の席のイスを引っ張ってきて座り、机上に今日の授業で配られたプリントを広げた。わからない問題にはすでにシャーペンで丸をつけてきている。
「この丸は、わからないところ、だな？」
「そう、ですけど」
「ちょっと……多くないか？」
　丸をつけた問題と時計を先生の目が何度も往復する。時間的に難しいのだ、と私にもわかった。
「全部じゃなくてもいいよ」
「ああ、さすがに全部は……」そこまで言って先生は教員用教科書を引き寄せた。ボールペンを白衣に戻し、ペン立てに入っていたシャーペンを取った。
「ちょっと待ってろ」
　教科書を広げた先生は、丸をつけた問題の横に教科書のページ番号と簡単なメモを書いていく。
　昼休み終了まであと五分。先生が教科書を閉じた。
「とりあえず、教科書を見ながらこれでやってみろ。わからなければ……また、来い」
　投げるようにシャーペンをペン立てに入れた先生は、手をブラブラと振り始めた。急いで書いたせいで手がだるいのだろうか。
　メモの散らばるプリントを机から取り、ぎゅっと胸に抱きしめる。
「先生、ありがとう。本当はチューでもしてあげたいくらいだけど」
「そんなもんに興味はない。点数で返してくれりゃいい」
「了解です。がんばります」
　手を額にあてて敬礼のポーズをとる。
　準備室を出ようとドアに手をかけ、自分のやる気を起こすべく、
「私がいい点数とったらお返しになる？　先生も嬉しい？」
　振り向いて先生に聞いた。
「はいはい、嬉しいですよ」
　適当に答えながら、先生が追い出すように手を振る。
「うん、がんばります」
「……まあ、適度にな」
「じゃあ、失礼しました」
　先生が最後に呟いた言葉と、優しいメモが溢れるプリントを胸に抱き、ドアを閉める。
　廊下に誰もいないのを確認してから、私はそっとドアに口付けた。


　◇終◇

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読んでくださってありがとうございました。
こんなところながら感想は歓迎中。よかったらコメントなどから聞かせてください。

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某所でのとある方のリクエスト

関係：教師と生徒
舞台：雨の日、下校中
内容：ずぶ濡れで帰る主人公。車で通りかかる先生。

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　++ 雨と車 ++

　息が切れてくる。走る足はだるい。
　ここまで濡れれば、もう歩いても走っても変わらない。疲れて走ったところで濡れるなら、いっそ歩いて帰ろう。
　そう開き直って、私は走ってる足を止めた。堂々と雨の中を歩き出す。
　後ろから車が近づいてきた。私が邪魔だからスピードを落としたのだろう、と脇に避けたのにあいかわらずその車は私に合わせるように走っている。
　雨に濡れる女子高生が一人、後ろからは車。あまりよろしい状況ではない。
　歩く速度を上げた。
　私を少し追い越して車が停まった。
　開いた運転席の窓から出てきた顔を見て、私は思わず、なんだ、と呟いた。
「先生だったんだ」
「乗ってくか？」
　先生は不精ヒゲをさすりながら、煙草の煙を吐き出して言った。
　ラッキーと思って近づき、スカートの裾から滴り落ちる水滴を見つめる。前髪から顔へと雨が流れている。
「あっ……いい、です。家、近いし」
「ん？」先生が吸っていた煙草を車の灰皿へと捨てた。「家が近い、だと？」
「……はい」
　嘘をついているだけに、先生への返答も弱々しいものになる。本当は歩いてまだ十分以上かかる。
「本当に近いんだろうな？」
「……はい」
「わかった。じゃあ、そこ、どけ」
　エンジンを止め、シートベルトを外した先生が傘を手に出てきた。男物の大きな黒い傘が私と先生の上を覆う。
　決していいとはいえない目つきで、先生はぎろりと私を見下ろした。
「俺はお前の担任だ」
「はい？」
　わざわざ車から出てきて何を言い出すのか。確認するまでもなく、先生が私の担任であることはわかりきっている。
「生徒の住所も知っている」
「あ、バレたってことか」
　住所を知っているのに、近いのか、と聞く先生もいじわるだと思う。嘘をついた私がバカみたいだ。
「成績も知っている」
「ですね」
「胸囲も知っている」
「セクハラっ」
　即座に突っ込んだ。
　冗談だと笑ってくれればいいのに、真顔でそう言うから始末が悪い。
「だから、だ。お前の胸がでかかろうが小さかろうが俺は何とも思わん」
　セクハラ、と突っ込む気力すらなくなった。堂々と生徒の目の前で言う教師を、ただただ唖然と見つめる。
「で、何？」
「警戒せず、乗れ」
　笑ってしまった。長々と続いた話がこんな終着をむかえるとは思わなかったのだ。
「なぜ、笑う？」
「警戒してたんじゃなくて、ずぶ濡れの私が乗ったら濡れちゃうなと思って……」
　私に笑われたのに先生は平然とした顔で、
「濡れても乾く」
　と、だけ言った。
「じゃ、乗せてください」
「最初から素直に言えばいいものを……手間かけさせやがる」
　助手席へ乗った私を見届け、先生も運転席へ乗る。
「シートベルト」
「装着オッケーです」
　エンジンがかけられる。ワイパーが再び動き出した。
「何とも思わん、ってのもひどい……」
　先生の横顔を見ていたら思わず出てしまっていた。
「男一人の車に乗れと言われて、警戒してない、も信じられん」
　煙草の箱へ手を伸ばした先生は、私をちらりと見て手を引っ込める。
「先生だから、ですよ」
「……そうか？」
「うん、そう」
「……そう、か」
　先生の口の端がにやりと微笑んでいた。


　◇終◇

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読んでくださってありがとうございました。
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お返事……2/28～3/24到着分

3/24 18:05頃＞短編「名無し」に感想くださった方へ
3/12 18:40頃＞短編「卒業アルバム」に感想くださった方へ
3/9 9:10頃＞短編「太陽が照らしていた」に感想くださった方へ
2/28 14:55頃＞短編「卒業アルバム」に感想くださった方へ
2/28 11:10頃＞短編「卒業アルバム」に感想くださったNさんへ
お返事は「つづき」をクリックしてください。

3/24 18:05頃＞短編「名無し」に感想くださった方へ
メッセージありがとうございます。
「卒業のあと」……いつか、どなたかに言われるだろう、とは思っていました(汗)　でも、申し訳ありませんが卒業後を執筆する予定は全くありません。彼らのその後は読者様でご自由に想像してください、という状態です。
私の中で特にエピソードなどを考えていない、というのもありますが、作者としてはあえてあのまま終わらせるほうが「彼ららしい」気がしたのです。ただ、彼らのその後はハッピーエンドです、とだけ私からは言わせていただきます。
続きなどを書けなくてすみません。そして、感想をありがとうございました。
3/12 18:40頃＞短編「卒業アルバム」に感想くださった方へ
メッセージありがとうございます。
すごくドキドキでしたか！本当にそれはよかったです！私も卒業式の雰囲気を思い出しながら、主人公と同じくドキドキして書いていたので、読んだ方にもドキドキしていただけるのは嬉しいです。
さらに「私好み」ということで、これまたよかったです(笑)　当サイトには多くの小説がありますが、他にもお好みに合う小説があれば幸いです。
3/9 9:10頃＞短編「太陽が照らしていた」に感想くださった方へ
メッセージありがとうございます。
かわいいと言っていただけて嬉しい、と思って先を読みましたら、30年前!?　中学生頃を振り返られたとしても……40代くらいの方なのでしょうか!?　私はせいぜい10年ほど前をフラッシュバックさせて書いているので30年前は想定外なのですが、そのような年代の方にまで楽しんでいただけるものになっているのは素直に嬉しいです。最近は私の中で年の差ブームがきておりますが、学生同士の初々しさを出すのは得意とするところです(笑)
これからも学生時代を過ぎた方にも楽しんでいただけるような創作を続けていければと思っています。感想ありがとうございました。
2/28 14:55頃＞短編「卒業アルバム」に感想くださった方へ
メッセージありがとうございます。
卒業を思い出していただけるような作品になっていて嬉しいです。私もこの作品を書いている時は高校生に戻ったかのように淡く卒業式の思い出に浸っていました。好きな相手は先生ではありませんでしたが、好きな人がいる者にとっては卒業式って大切なイベントですしね。
現役学生さんを終えられた方にも懐かしんでいただけるような作品をこれからも書いていきたいと思います。
2/28 11:10頃＞短編「卒業アルバム」に感想くださったNさんへ
メッセージありがとうございます。
キュンキュンしてくださって嬉しいです。主人公と一緒に存分に先生に振り回されてくださったようで……(笑)
こちらこそ毎回(?)読んでくださってありがとうございます。作品を書いて公開する意欲が湧くのも読んでくださる方のおかげですから、本当。
私はただ書きたいと思った女の子や男性を作品に合わせて書いているだけなのですが、親近感を持ってくださったり、ときめいてくださったり……本当に嬉しいです。他人事ではなく身近に感じていただけるのは嬉しいです。
気分によって作品を書くペースが大幅に変わる私ですが、これからもまたいつでも気軽に読みに来てください。ありがとうございました。

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短編「卒業アルバム」更新

現在、風邪中です。薬の影響か妙に頭がポワーと集中できない感じなのでおかしな文章になるとは思いますが温かくスルーでお願いします。
前回短編を更新したばかりだというのに、またもや短編を書き上げてしまいました。そしてホワイトデー編はどんどんと執筆が延びていく……(笑)
今回のはなんとなーく「妹が卒業だな」とか思って、自分の卒業式をふと思い出してたら……書きたくなりました。
卒業ネタで書きたくなったはいいもの何を書こう、と思った時にこれまた友達が昔に言っていた「卒業アルバムに書いてもらった先生の寄せ書きが……」と話していたのを思い出したのです。そこから「先生の寄せ書き」で話は膨らみ……書けました。
私は高校三年生の時に学年の違う同じ部活の人を好きになったのですが、卒業時に渡してくれた(部活の後輩が先輩に渡すもの)寄せ書きが今も残ってます。その経験もこっそり今回の小説のネタのきっかけになったりして……。なんかこういうこと言うのも恥ずかしいですが(^_^;)
……ああ、やはり薬のせいかなんだかうまく言葉が浮かびません。
私がこんな風に卒業式の雰囲気を思い出しつつ妄想した作品ですが、同じように懐かしんでいただけたり、主人公と一緒にドキドキしていただけれるものになっていれば嬉しいです。