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関係:学生カップル
場所:図書室(放課後でも授業中でもお好きなように)
内容:キスしよう、と誘う彼。そんな気分じゃない、と断る彼女。本を読み終えた彼女は切ないあまりに涙を流す。そんな彼女を見た彼は――。
なぜ、こんなSSを書きたくなったのか……。きっかけはよくわかりません。「キスしねぇ?」なんてセリフを吐く軽い男を小説で書くのはあまり好きじゃありません。なのに、なぜ書きたくなったのか。「静けさ」と「涙」と「艶」のキーワードを感じていただければ私としては満足です。
読んでみようと思った人は「SSを~」をクリック
場所:図書室(放課後でも授業中でもお好きなように)
内容:キスしよう、と誘う彼。そんな気分じゃない、と断る彼女。本を読み終えた彼女は切ないあまりに涙を流す。そんな彼女を見た彼は――。
なぜ、こんなSSを書きたくなったのか……。きっかけはよくわかりません。「キスしねぇ?」なんてセリフを吐く軽い男を小説で書くのはあまり好きじゃありません。なのに、なぜ書きたくなったのか。「静けさ」と「涙」と「艶」のキーワードを感じていただければ私としては満足です。
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++ 気分 ++
図書室の奥、低い本棚に座り、背を窓に預けて本を読んでいた。そんな私の顎を、隣に座っている彼が指ですくう。
「なあ、キス、しねぇ?」
耳元で甘い言葉でも囁かれるのかと思ったら、なんて簡単で即物的なんだろう。
「そんな気分じゃない」
手元の本の中では、切ない恋愛が繰り広げられている。隣の彼のことも忘れ、その世界観に入り込んでいる私にとって、わかりやすい彼の言葉に何の気分も盛り上がらない。むしろ、本を読んでいるほうがドキドキできる。
「じゃあ、気分になるまで待ってる」
足を投げ出し、読んでいたらしい本も投げ出し、彼は窓に頭をもたれさせる。寝るようだ。
邪魔をされなくていい、と私はまた本へと目を戻す。
ラストに近づくにつれ、読むんじゃなかった、という思いが大きくなった。こんなところで泣くなんて恥ずかしい。でも、我慢しようとすればするほど、涙は出てくる。
全てを読み終え、本を閉じる。
もう、涙は抑えられない。
彼を起こさないよう、小さく鼻をすすった。
目を覚ました彼と目が合った。泣いているのはバレただろうけど、顔をそむけずにはいられない。
「ハンカチは?」
後ろから聞こえた彼の声。
「持ってる」
「まあ……しゃあねぇな」
大きな何かに目を覆われた。
体温を持つそれは彼の手――。
「濡れる……し」
「女の涙を受け止めるのは男の役目だろ」
「キモい」
「……俺も」
後ろでくすくすと彼が笑っている。
ゆっくりと振り向くと、濡れた彼の手が目の前にあった。自分の手を重ねる。彼の指が私の指の間にもぐりこんでくる。
「別の方法で止めて」
「そんな方法知らねぇし」
鼻があたる寸前まで彼に顔を近づける。
「これでもわからない?」
「……そこまで、バカじゃねぇよ」
私が顔を近づけたのが先か、彼の手が後頭部を引き寄せたのが先か――。
愛しい人の吐息を唇から飲み込んだ瞬間、無意識に涙が溢れた。
◇終◇
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読んでくださってありがとうございました。
こんな場ながら感想は歓迎。よかったらコメント欄などから聞かせてください。
++ 気分 ++
図書室の奥、低い本棚に座り、背を窓に預けて本を読んでいた。そんな私の顎を、隣に座っている彼が指ですくう。
「なあ、キス、しねぇ?」
耳元で甘い言葉でも囁かれるのかと思ったら、なんて簡単で即物的なんだろう。
「そんな気分じゃない」
手元の本の中では、切ない恋愛が繰り広げられている。隣の彼のことも忘れ、その世界観に入り込んでいる私にとって、わかりやすい彼の言葉に何の気分も盛り上がらない。むしろ、本を読んでいるほうがドキドキできる。
「じゃあ、気分になるまで待ってる」
足を投げ出し、読んでいたらしい本も投げ出し、彼は窓に頭をもたれさせる。寝るようだ。
邪魔をされなくていい、と私はまた本へと目を戻す。
ラストに近づくにつれ、読むんじゃなかった、という思いが大きくなった。こんなところで泣くなんて恥ずかしい。でも、我慢しようとすればするほど、涙は出てくる。
全てを読み終え、本を閉じる。
もう、涙は抑えられない。
彼を起こさないよう、小さく鼻をすすった。
目を覚ました彼と目が合った。泣いているのはバレただろうけど、顔をそむけずにはいられない。
「ハンカチは?」
後ろから聞こえた彼の声。
「持ってる」
「まあ……しゃあねぇな」
大きな何かに目を覆われた。
体温を持つそれは彼の手――。
「濡れる……し」
「女の涙を受け止めるのは男の役目だろ」
「キモい」
「……俺も」
後ろでくすくすと彼が笑っている。
ゆっくりと振り向くと、濡れた彼の手が目の前にあった。自分の手を重ねる。彼の指が私の指の間にもぐりこんでくる。
「別の方法で止めて」
「そんな方法知らねぇし」
鼻があたる寸前まで彼に顔を近づける。
「これでもわからない?」
「……そこまで、バカじゃねぇよ」
私が顔を近づけたのが先か、彼の手が後頭部を引き寄せたのが先か――。
愛しい人の吐息を唇から飲み込んだ瞬間、無意識に涙が溢れた。
◇終◇
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読んでくださってありがとうございました。
こんな場ながら感想は歓迎。よかったらコメント欄などから聞かせてください。
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心がホンワカしてますw
うわぁ、やばいですね。
久しぶりに、学生ということで表?の花火のやつもとてもよかったのですが、今回の男の子は特に私のつぼでした。本当に久しぶりにこんなに、男の子が直接的に言葉を投げかけるお話に出会ってなかったので、もうおなかいっぱいです(笑)
女の子の素っ気無さといい、男の子の大きな手でのフォローといい、全てが全てほんわかとしていて心がとても温かくなりました。
本当に、ほんわかってこんななんだなぁと改めて実感です。とても、好きです。
メール事態、久しぶりですが興奮のあまりまた長文ですみません。毎度毎度、お返事を下さってありがとうございます。
これからも、裏?表?どちらも楽しみに読ませていただきます。
本当に、こんなカップルがいたらもうそれだけで目の保養だなぁと思えた作品です。ありがとうございました。
久しぶりに、学生ということで表?の花火のやつもとてもよかったのですが、今回の男の子は特に私のつぼでした。本当に久しぶりにこんなに、男の子が直接的に言葉を投げかけるお話に出会ってなかったので、もうおなかいっぱいです(笑)
女の子の素っ気無さといい、男の子の大きな手でのフォローといい、全てが全てほんわかとしていて心がとても温かくなりました。
本当に、ほんわかってこんななんだなぁと改めて実感です。とても、好きです。
メール事態、久しぶりですが興奮のあまりまた長文ですみません。毎度毎度、お返事を下さってありがとうございます。
これからも、裏?表?どちらも楽しみに読ませていただきます。
本当に、こんなカップルがいたらもうそれだけで目の保養だなぁと思えた作品です。ありがとうございました。
Re:心がホンワカしてますw
お久しぶりです。
いや、別にサイトが表でこちらが裏ってことはありませんから(笑) 私の気持ちとしてはここは「こっそりと……」な場所ですが。
女の子も男の子も直接的に言うのって書いていて面白くないので、あまり好きじゃないんですよね。でも、今回は男の子も女の子も割と積極的でストレートなので、私自身も「たまにはこういうのもいいなぁ」と思った作品です。いつも遠まわしだけに今回の直接的男子は意外なところから桔李徒さんのツボを突くことができたのでしょうか?(笑)
ほんわかとしていただけたのは嬉しいです。静かななかに二人の想いを感じ取ってもらえたらなぁ、と思っていたので。読者様置いてけぼりのいちゃいちゃじゃなくて、読者様を巻き込めるようないちゃいちゃを書いていきたいです。……とふと思いました。
えっ、桔李徒さんのは全然長文じゃないですよ! もっと書いてくださってもいいくらいです(笑) 桔李徒さんが興奮のままに感想を書かれるように、私も感想をいただいて嬉しい気持ちのままに返事を書くので、全然、苦じゃないですよ。ご安心を。
表とか裏とかありませんので(笑)、私の文章を楽しみにしていただければ、こちらとしてはそれだけで十分です。こちらこそ、喜びと励みを毎度ありがとうございます♪
いや、別にサイトが表でこちらが裏ってことはありませんから(笑) 私の気持ちとしてはここは「こっそりと……」な場所ですが。
女の子も男の子も直接的に言うのって書いていて面白くないので、あまり好きじゃないんですよね。でも、今回は男の子も女の子も割と積極的でストレートなので、私自身も「たまにはこういうのもいいなぁ」と思った作品です。いつも遠まわしだけに今回の直接的男子は意外なところから桔李徒さんのツボを突くことができたのでしょうか?(笑)
ほんわかとしていただけたのは嬉しいです。静かななかに二人の想いを感じ取ってもらえたらなぁ、と思っていたので。読者様置いてけぼりのいちゃいちゃじゃなくて、読者様を巻き込めるようないちゃいちゃを書いていきたいです。……とふと思いました。
えっ、桔李徒さんのは全然長文じゃないですよ! もっと書いてくださってもいいくらいです(笑) 桔李徒さんが興奮のままに感想を書かれるように、私も感想をいただいて嬉しい気持ちのままに返事を書くので、全然、苦じゃないですよ。ご安心を。
表とか裏とかありませんので(笑)、私の文章を楽しみにしていただければ、こちらとしてはそれだけで十分です。こちらこそ、喜びと励みを毎度ありがとうございます♪
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プロフィール
HN:
水月
性別:
女性
自己紹介:
年齢:30代前半
在住地:近畿地方
執筆歴:15年ほど
執筆ツール:WinXPノートパソコン
在住地:近畿地方
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