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鬼畜眼鏡というゲームの眼鏡の人にやられました。いや、ゲーム自体はBLということもあり、やりたいとは思わないのですが。とにかくあの鬼畜な笑みたまらんです。主題歌もいい。
というわけで「鬼畜」にガンガン触発されたので、それを吐き出すべくサクサクと書きました。
あ、ゲーム自体は持ってないしプレイもしてないので、SS内容とゲームは関係ないです。
関係はお嬢様と執事……のようなもので。

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 彼に迫って、その首元を締め付けているネクタイを緩めていたのは私だったはずだ。
 なのに今、彼は自らネクタイを外し、シャツのボタンも何個か外して胸元を緩め、ネクタイを手に私に迫ってきている。
「さあ、手を出してください」
「イヤよ」
「迫ってきたのは貴女でしょう?」
「でも、イヤよ。もう、いらない」
 追い詰められた背後には壁――なんという定番の展開。いや、彼のことだから私の行き先をわかって追い詰めていたのかもしれない。
 近づいてきた彼の顔は、私の横を通り過ぎて耳元へと寄せられた。
「優しく快楽を与えてあげますから……さあ、お嬢様? 抱かれたいのでしょう?」
 声に、吐息に、無意識に体が震える。
「優しくするというなら縛る必要はないわ」
「ネクタイですから痛くはありません」
「そういう問題じゃないの」
 彼の指が私の腕を這い上がる。
「これは、そうですね……」
 抱きしめるかのように彼の腕が私の背に回り、するりと絡め取られた両手は背後で結ばれてしまった。
「ちょっとした趣味、ですよ」
 唇が重なるほどの至近距離で、彼は息を吹きかけるように笑っている。
「……変態」
 そんな彼へ逆に息を吐きつけるように言ってやる。
 彼のことだ。さらなる冷たい笑いを浮かべるのだろう。
 そう思っていた私の唇が柔らかい何かに押さえつけられる。
「ああ、縛らずとも貴女の心はすでに私に捕らわれている。このようなもの不要。そう言いたいのでしょう?」
 再び私へ唇を重ねながら、彼は私の手を絡め取っているネクタイを外した。
 ゆっくりと唇を放し、私を見下ろしながら艶然と微笑むこの男を私は――。
「あなたが――好きなの」
「わかっていますよ、お嬢様」
 変わらず浮かんでいる笑みを消したくて、私は唇を彼へと近づける。
 堕ちた私を歓迎するように彼は動かずに私のキスを受けた。


 ◇終◇


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読んでくださってありがとうございます。
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