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関係:先生と生徒
前作SSの更新履歴で「物足りない」と書いた「S成分書きたい欲」を発散させてみました。
最初は前作の二人にこだわらずに書いていたのですが、私の中で予想以上にあの先生が魅力的だったようで、脳内で自然とあの冷たい先生が浮かんできて……抗えませんでした。というわけで私にしては珍しい続編となっています。相変わらず読んだ方にお任せという気持ちもあるので一応「続編?」と疑問符をつけてみたり。
終始冷たい感じで終わらせようと思ったのですが、私の予想外の方向でなんだか甘いラストとなりました。本当はもっと歯の浮くようなセリフがガンガンと先生の口から漏れていたのですが、私なりに調整して糖度は抑え目にしていたりします。あまりスラスラと甘いのはあの先生らしくない、と思ったり。でも、それまでが冷たいのでもうドロドロの甘いのを書きたくなったのは確かです(笑)
前半は彼女が翻弄されて、後半は意外と先生が翻弄されているような気がしないでもない。欲を言えば、もっと先生をやりこめてみたかったです。余裕なくしたり動揺したところを書きたかった。でも、どうしたらこの先生は動揺してくれるんだか……。
わかりにくいめんどくさい男性を書いたので、今度は素直でわかりやすい男子でも書きたいところですが、今作の先生みたいな人を書くのは楽しいんですよね。どう動くか話すか私でさえも予想がつかないので、女の子と一緒に振り回されて楽しんでいます。
溢れる衝動や創作意欲をうまく文字で吐き出せているか自信はありませんが、楽しさや萌えなど何かしらのものが読んでくださった方に伝われば幸いです。
SSは「SSを読む」へ
前作SSの更新履歴で「物足りない」と書いた「S成分書きたい欲」を発散させてみました。
最初は前作の二人にこだわらずに書いていたのですが、私の中で予想以上にあの先生が魅力的だったようで、脳内で自然とあの冷たい先生が浮かんできて……抗えませんでした。というわけで私にしては珍しい続編となっています。相変わらず読んだ方にお任せという気持ちもあるので一応「続編?」と疑問符をつけてみたり。
終始冷たい感じで終わらせようと思ったのですが、私の予想外の方向でなんだか甘いラストとなりました。本当はもっと歯の浮くようなセリフがガンガンと先生の口から漏れていたのですが、私なりに調整して糖度は抑え目にしていたりします。あまりスラスラと甘いのはあの先生らしくない、と思ったり。でも、それまでが冷たいのでもうドロドロの甘いのを書きたくなったのは確かです(笑)
前半は彼女が翻弄されて、後半は意外と先生が翻弄されているような気がしないでもない。欲を言えば、もっと先生をやりこめてみたかったです。余裕なくしたり動揺したところを書きたかった。でも、どうしたらこの先生は動揺してくれるんだか……。
わかりにくいめんどくさい男性を書いたので、今度は素直でわかりやすい男子でも書きたいところですが、今作の先生みたいな人を書くのは楽しいんですよね。どう動くか話すか私でさえも予想がつかないので、女の子と一緒に振り回されて楽しんでいます。
溢れる衝動や創作意欲をうまく文字で吐き出せているか自信はありませんが、楽しさや萌えなど何かしらのものが読んでくださった方に伝われば幸いです。
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++ 少ない言葉 ++
ガラスのテーブルの上、空欄を埋めたプリントと教科書をバッグの中へ片付け、私は目の前でパソコンへ向き合っている先生へと声をかける。
「先生、宿題終わりました」
「全部か?」
「はい」
こんなやりとりをしているけど、ここは学校でもなく塾でもなく、先生の――彼氏の家だ。
ふう、と前髪をかきあげ、時計へ目を向けた先生はまたパソコンへと戻る。
「適当にしていろ」
「……はい」
テレビをつけたり音楽をかけようものなら即座に、うるさい、と消されるのは目に見えている。ただ消されるだけならともかく、二度はするな、と言わんばかりに向けられる視線が鋭くて怖い。
彼氏の家で二人きり。そんなシチュエーションも先生にかかれば甘さの欠片もなくなってしまう。
付き合っている、というよりは、付き合っていただいている、とさえ言いたい気分だ。先生に惚れてしまっている私は、そんな状態でも彼氏と彼女の関係になれたのが嬉しくて抜け出すことができない。
いわゆる暇タイムへ突入してしまった私は先生の部屋の中を見回す。
「洗い物があれば……」
「済ませてある」
「じゃあ、洗濯物は……」
「干してあるのが見えないのか?」
「掃除でも……」
「必要ない」
何でもそつなくこなすのだろう、という先生のイメージを微塵も壊すことがない返答ぶりだ。彼女らしく家事をこなそうと画策する私の入る余地は見当たらない。
確かに部屋は綺麗に整理されているし、窓の外を見れば洗濯物も丁寧に干されている。
だらしなくテーブルの上にあごを乗せて、作業中の先生を見上げる。顔で好きになったわけではないとはいえ、真剣なその表情はどれだけ見ていても飽きないほどに魅力的だ。
「私って邪魔ですか?」
じっと見つめながら、ずっとずっと脳裏に浮かんでいた質問をぶつけてみる。
「――と思うなら出て行けばいい」
手を止めた先生の視線が私へ向けられる。さあどうする、と問いかけているかのようだ。
顎を上げ、背筋を伸ばして正座になり、先生の目を真っ向から受け止める。
「イヤです」
「――だろうな」
軽く頷いて何事もなかったかのように先生はまた作業へと戻る。
静かな部屋の中、頭しか動かすものがない私はふと思う。
私がいなくなっても先生は気づかないのではないか。探してくれるのだろうか、動揺してくれるのだろうか。
「トイレ借ります」
「ああ」
部屋を出て携帯電話を片手にトイレへと入る。下着をおろすこともなく便座に座って、携帯の待ち受けに表示されている時計をにらみながら、ドアの外へと耳をすませて長期戦態勢に入った。
そのまま、信じられないことに三十分近くが過ぎた。
トイレにずっとこもるのは間抜けすぎる、と諦め、かけていたトイレのドアの鍵をそっと解除する。
そのまま元いた部屋へ戻ると、ノートパソコンを閉じた先生が私にちらりと目をくれた。
「帰ったのだと思っていた」
先生の口調にも態度にも、私が帰ったかもしれない焦りのようなものは全く見られない。
勝手にトイレにこもっていたくせに、私の中の不安がじわじわと先生へのいらだちへと変わっていく。バッグを拾い上げ、やはり平然と私を見上げている先生を見下ろす。
「帰ってほしかったなら、邪魔だったなら言ってください。……今度はちゃんと帰ります」
先生から返ってきたのは言葉ではなく、呆れるような深いため息。
わかっている。わがままな子供を前に呆れただろうことはわかっている。だからこれ以上の醜態をさらしたくはないし、先生の反応を見るのも怖い。
私は背を向けて足を踏み出した。
「聞け」
簡単に無視できるような短い一言だったけど、声から伝わってくる怒りのようなものが私の足を留める。ここまでの怒気をはらんだ声は聞いたことがない。
「邪魔ならそもそも部屋に入れたりはしない。お前をほったらかしていたことも、退屈させていただろうことも自覚している。トイレにたてこもっていたのも、その行動にこめられた意味も知っている。だが、俺はお前が期待するような優しさは持ち合わせてはいない。――言い訳は終わりだ。帰るなら止めない」
いつもなら面倒くさがって最低限の言葉しか言わない先生が紡ぐ多くの言葉。
引き止めるようなことは言われていないのに、私の足は動き出せない。帰る気持ちは消えていく。
「先生、私に居てほしいですか? 帰ってほしくない?」
「どう思う?」
「先生の口から聞きたい」
「急いで終わらせた褒美が欲しい」
振り向いてみれば、私がそうするのがわかっていたかのように両手を広げ、先生はかすかに微笑んでいた。
意地を張って踏ん張りたいところだけど、ずっとおあずけをくらっていた私は飛び込むように先生へと抱きついた。
「帰ると思っていた」
私の耳が、小さく呟かれた先生の声を拾う。
「わかりにくいんです、先生は」
「お前は、わかりやすい」
先生の首へゆるく絡めていた腕に少し力をこめる。
「でも……好きです」
「ああ」
「先生は、って聞いても答えてくれないのはわかってるから聞きません」
「俺も……わかりやすい男だろう」
私の背に回された先生の腕に強く体を引き寄せられた。
◇終◇
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読んでくださってありがとうございます。
よかったらコメント欄などから感想の声を聞かせてください。
今後の創作の励みにさせていただきます。
++ 少ない言葉 ++
ガラスのテーブルの上、空欄を埋めたプリントと教科書をバッグの中へ片付け、私は目の前でパソコンへ向き合っている先生へと声をかける。
「先生、宿題終わりました」
「全部か?」
「はい」
こんなやりとりをしているけど、ここは学校でもなく塾でもなく、先生の――彼氏の家だ。
ふう、と前髪をかきあげ、時計へ目を向けた先生はまたパソコンへと戻る。
「適当にしていろ」
「……はい」
テレビをつけたり音楽をかけようものなら即座に、うるさい、と消されるのは目に見えている。ただ消されるだけならともかく、二度はするな、と言わんばかりに向けられる視線が鋭くて怖い。
彼氏の家で二人きり。そんなシチュエーションも先生にかかれば甘さの欠片もなくなってしまう。
付き合っている、というよりは、付き合っていただいている、とさえ言いたい気分だ。先生に惚れてしまっている私は、そんな状態でも彼氏と彼女の関係になれたのが嬉しくて抜け出すことができない。
いわゆる暇タイムへ突入してしまった私は先生の部屋の中を見回す。
「洗い物があれば……」
「済ませてある」
「じゃあ、洗濯物は……」
「干してあるのが見えないのか?」
「掃除でも……」
「必要ない」
何でもそつなくこなすのだろう、という先生のイメージを微塵も壊すことがない返答ぶりだ。彼女らしく家事をこなそうと画策する私の入る余地は見当たらない。
確かに部屋は綺麗に整理されているし、窓の外を見れば洗濯物も丁寧に干されている。
だらしなくテーブルの上にあごを乗せて、作業中の先生を見上げる。顔で好きになったわけではないとはいえ、真剣なその表情はどれだけ見ていても飽きないほどに魅力的だ。
「私って邪魔ですか?」
じっと見つめながら、ずっとずっと脳裏に浮かんでいた質問をぶつけてみる。
「――と思うなら出て行けばいい」
手を止めた先生の視線が私へ向けられる。さあどうする、と問いかけているかのようだ。
顎を上げ、背筋を伸ばして正座になり、先生の目を真っ向から受け止める。
「イヤです」
「――だろうな」
軽く頷いて何事もなかったかのように先生はまた作業へと戻る。
静かな部屋の中、頭しか動かすものがない私はふと思う。
私がいなくなっても先生は気づかないのではないか。探してくれるのだろうか、動揺してくれるのだろうか。
「トイレ借ります」
「ああ」
部屋を出て携帯電話を片手にトイレへと入る。下着をおろすこともなく便座に座って、携帯の待ち受けに表示されている時計をにらみながら、ドアの外へと耳をすませて長期戦態勢に入った。
そのまま、信じられないことに三十分近くが過ぎた。
トイレにずっとこもるのは間抜けすぎる、と諦め、かけていたトイレのドアの鍵をそっと解除する。
そのまま元いた部屋へ戻ると、ノートパソコンを閉じた先生が私にちらりと目をくれた。
「帰ったのだと思っていた」
先生の口調にも態度にも、私が帰ったかもしれない焦りのようなものは全く見られない。
勝手にトイレにこもっていたくせに、私の中の不安がじわじわと先生へのいらだちへと変わっていく。バッグを拾い上げ、やはり平然と私を見上げている先生を見下ろす。
「帰ってほしかったなら、邪魔だったなら言ってください。……今度はちゃんと帰ります」
先生から返ってきたのは言葉ではなく、呆れるような深いため息。
わかっている。わがままな子供を前に呆れただろうことはわかっている。だからこれ以上の醜態をさらしたくはないし、先生の反応を見るのも怖い。
私は背を向けて足を踏み出した。
「聞け」
簡単に無視できるような短い一言だったけど、声から伝わってくる怒りのようなものが私の足を留める。ここまでの怒気をはらんだ声は聞いたことがない。
「邪魔ならそもそも部屋に入れたりはしない。お前をほったらかしていたことも、退屈させていただろうことも自覚している。トイレにたてこもっていたのも、その行動にこめられた意味も知っている。だが、俺はお前が期待するような優しさは持ち合わせてはいない。――言い訳は終わりだ。帰るなら止めない」
いつもなら面倒くさがって最低限の言葉しか言わない先生が紡ぐ多くの言葉。
引き止めるようなことは言われていないのに、私の足は動き出せない。帰る気持ちは消えていく。
「先生、私に居てほしいですか? 帰ってほしくない?」
「どう思う?」
「先生の口から聞きたい」
「急いで終わらせた褒美が欲しい」
振り向いてみれば、私がそうするのがわかっていたかのように両手を広げ、先生はかすかに微笑んでいた。
意地を張って踏ん張りたいところだけど、ずっとおあずけをくらっていた私は飛び込むように先生へと抱きついた。
「帰ると思っていた」
私の耳が、小さく呟かれた先生の声を拾う。
「わかりにくいんです、先生は」
「お前は、わかりやすい」
先生の首へゆるく絡めていた腕に少し力をこめる。
「でも……好きです」
「ああ」
「先生は、って聞いても答えてくれないのはわかってるから聞きません」
「俺も……わかりやすい男だろう」
私の背に回された先生の腕に強く体を引き寄せられた。
◇終◇
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プロフィール
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水月
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女性
自己紹介:
年齢:30代前半
在住地:近畿地方
執筆歴:15年ほど
執筆ツール:WinXPノートパソコン
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