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関係:忍者と姫
場所:夜、姫の部屋
内容:突然入ってきた忍は姫の喉に刃をあてる。「殺してもいい」と言う姫に彼がとった行動は――。
書きたくなったきっかけは今日やったゲームです(笑) 無双で服部半蔵を使ってストーリーモードをずっと攻略していたせいか、パソコンに向かった瞬間にむしょうに忍者が書きたくなりました。あ、基本的に忍者が大好きです。多くを語らず、ただ任務に忠実。でも、実は感情も持っている。そんな忍者を書くのが大好きです。いつもの如くですが、私の趣味嗜好が全開です(笑)
場所:夜、姫の部屋
内容:突然入ってきた忍は姫の喉に刃をあてる。「殺してもいい」と言う姫に彼がとった行動は――。
書きたくなったきっかけは今日やったゲームです(笑) 無双で服部半蔵を使ってストーリーモードをずっと攻略していたせいか、パソコンに向かった瞬間にむしょうに忍者が書きたくなりました。あ、基本的に忍者が大好きです。多くを語らず、ただ任務に忠実。でも、実は感情も持っている。そんな忍者を書くのが大好きです。いつもの如くですが、私の趣味嗜好が全開です(笑)
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++ 残る温度 ++
彼女を見た瞬間、女にしては背も高く、体も少し大きいと思っていた。
まさか、着物を瞬時に脱いだ彼女が男性になる、などとは思ってもいなかった。
私が叫ぼうとするより早く、冷やりとした硬質なものが首にあてられる。両手はきつく背中に押さえつけられている。
なんとか首を少しひねると、私の隣には紺色の装束に身を包んだ――忍が立っている。口元も布で覆われ、冷めた瞳だけが私を見下ろしていた。
「殺すのね?」
彼は何も言わない。その口からはわずかな呼吸音すら聞こえない。
「殺しなさい。私はかまわない」
言った瞬間、彼の目が揺れる。
こんな状況だというのに、相手が人間らしい動揺を見せたことに、なぜか安堵した。首に刃をあてられているなか、大きく息を吐いた私は続ける。
「あなたは隣国に嫁がれては困る人の命を受けたのでしょう? 私は……嫁ぎたくないの。断る理由を思案したけど……殺されるのが一番の上策だわ。あなたなら一太刀で葬ってくれる。そうでしょう?」
首にあたる刃がわずかに動いた。
彼が手に力を込めたのだろう。
私を殺そうとする人の眼をじっと見つめる。もしかしたら、素顔は綺麗なのではないだろうか、とそんなことまで思っていた。
ふと、口が開く。
「絵巻物のように……誰かのことを想う日々を過ごしてみたかった」
首から刃が離れる。
短刀を持ったまま、彼が口元の布を指でずらす。
何をするのだろうと思っているうちに、顔を上向けられ――唇を重ねられた。口内に入ってきた小さな何かは、舌の上で瞬く間に溶ける。
私から顔を離した彼は、ずらした布を戻す。
「あなた……やはり綺麗な顔だわ」
なぜか、足や体に力が入らない。
夜具に私を横たえ、
「我を……想え」
聞き逃してしまいそうなほど低く静かな声で彼は言った。
「……ありがとう」
意識がもうろうとするなかで呟いた声が彼に聞こえたのかどうかはわからない。
影は何も言わず、ただ、するりと月夜の下へ消えていった。
私の唇にわずかな体温を残して――。
―了―
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読んでくださってありがとうございました。よかったらコメント欄などから感想のお声を聞かせてください。
++ 残る温度 ++
彼女を見た瞬間、女にしては背も高く、体も少し大きいと思っていた。
まさか、着物を瞬時に脱いだ彼女が男性になる、などとは思ってもいなかった。
私が叫ぼうとするより早く、冷やりとした硬質なものが首にあてられる。両手はきつく背中に押さえつけられている。
なんとか首を少しひねると、私の隣には紺色の装束に身を包んだ――忍が立っている。口元も布で覆われ、冷めた瞳だけが私を見下ろしていた。
「殺すのね?」
彼は何も言わない。その口からはわずかな呼吸音すら聞こえない。
「殺しなさい。私はかまわない」
言った瞬間、彼の目が揺れる。
こんな状況だというのに、相手が人間らしい動揺を見せたことに、なぜか安堵した。首に刃をあてられているなか、大きく息を吐いた私は続ける。
「あなたは隣国に嫁がれては困る人の命を受けたのでしょう? 私は……嫁ぎたくないの。断る理由を思案したけど……殺されるのが一番の上策だわ。あなたなら一太刀で葬ってくれる。そうでしょう?」
首にあたる刃がわずかに動いた。
彼が手に力を込めたのだろう。
私を殺そうとする人の眼をじっと見つめる。もしかしたら、素顔は綺麗なのではないだろうか、とそんなことまで思っていた。
ふと、口が開く。
「絵巻物のように……誰かのことを想う日々を過ごしてみたかった」
首から刃が離れる。
短刀を持ったまま、彼が口元の布を指でずらす。
何をするのだろうと思っているうちに、顔を上向けられ――唇を重ねられた。口内に入ってきた小さな何かは、舌の上で瞬く間に溶ける。
私から顔を離した彼は、ずらした布を戻す。
「あなた……やはり綺麗な顔だわ」
なぜか、足や体に力が入らない。
夜具に私を横たえ、
「我を……想え」
聞き逃してしまいそうなほど低く静かな声で彼は言った。
「……ありがとう」
意識がもうろうとするなかで呟いた声が彼に聞こえたのかどうかはわからない。
影は何も言わず、ただ、するりと月夜の下へ消えていった。
私の唇にわずかな体温を残して――。
―了―
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気になるぅ~
私の想像力不足なせいで、状況がうまく飲み込めてない。。。
「小さななにか」ってなんだよー。月夜の下へ消えてその後、姫はどうなったんだぁー。とか勝手に疑問がもわもわ。え、もしかして細かく書かないことで想像力を豊かにさせる技法ですか?そうですか。
忍者かぁ。なんか現代ものっていう印象が強かったからここで忍者なんていう単語を読めるとは思ってなかった。別のHNでやってるという作品だとこういうのもあるんでっしゃろか。。。
なにはともあれ、よい作品読了。
ちなみに二行目の文章がおかしくないですか?男性なる???
「小さななにか」ってなんだよー。月夜の下へ消えてその後、姫はどうなったんだぁー。とか勝手に疑問がもわもわ。え、もしかして細かく書かないことで想像力を豊かにさせる技法ですか?そうですか。
忍者かぁ。なんか現代ものっていう印象が強かったからここで忍者なんていう単語を読めるとは思ってなかった。別のHNでやってるという作品だとこういうのもあるんでっしゃろか。。。
なにはともあれ、よい作品読了。
ちなみに二行目の文章がおかしくないですか?男性なる???
Re:気になるぅ~
otiaiさんお久しぶりの感想ありがとうございます。
えっと、とりあえず姫は死んだわけではない、ということだけお答えさせていただこうかと思います(笑) 書き終えたあとで「死んだようにも受け取れるな」と気づいたのですが修正するのも面倒&読んだ方にゆだねるのもそれはそれで面白いかな、ということでああなりました。
忍者は実はまだあと二つ書いたことがあるのですが、それはちょっと続きものみたくなっていて、続きの予定も全く未定なのでオフの友達など身内限定公開させていただいてます。時代考証とか全然なので短編に置く勇気もなく……。和風は意外と好きだったりするのです(^_^;)
あ、誤字報告ありがとうございます。ファイルにあるテキスト文書だとちゃんと「男性になる」になってるんですよね。更新時に消してしまったみたいです。というわけで修正完了。
えっと、とりあえず姫は死んだわけではない、ということだけお答えさせていただこうかと思います(笑) 書き終えたあとで「死んだようにも受け取れるな」と気づいたのですが修正するのも面倒&読んだ方にゆだねるのもそれはそれで面白いかな、ということでああなりました。
忍者は実はまだあと二つ書いたことがあるのですが、それはちょっと続きものみたくなっていて、続きの予定も全く未定なのでオフの友達など身内限定公開させていただいてます。時代考証とか全然なので短編に置く勇気もなく……。和風は意外と好きだったりするのです(^_^;)
あ、誤字報告ありがとうございます。ファイルにあるテキスト文書だとちゃんと「男性になる」になってるんですよね。更新時に消してしまったみたいです。というわけで修正完了。
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年齢:30代前半
在住地:近畿地方
執筆歴:15年ほど
執筆ツール:WinXPノートパソコン
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