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関係:教師と生徒
舞台:コンビニ
内容:春休み、コンビニで好きな先生に偶然出会う生徒
某所でのとある方のリクエストの内容→春休み。学校近くのコンビニで偶然会った先生と生徒。『なに買うんだ?』生徒の手にファッション雑誌とジュース。先生がジュースだけ手から取り上げて、『これだけご馳走してやる』って。……にそって書いたもの。
書いてみて気付いた。どうやら私の脳内には、たまにオヤジ先生ブームがやってくるらしい(笑) 今回はクサいセリフも吐くおまけ付き(笑)
読んでみようと思った方は「SSを~」をクリックしてください。
舞台:コンビニ
内容:春休み、コンビニで好きな先生に偶然出会う生徒
某所でのとある方のリクエストの内容→春休み。学校近くのコンビニで偶然会った先生と生徒。『なに買うんだ?』生徒の手にファッション雑誌とジュース。先生がジュースだけ手から取り上げて、『これだけご馳走してやる』って。……にそって書いたもの。
書いてみて気付いた。どうやら私の脳内には、たまにオヤジ先生ブームがやってくるらしい(笑) 今回はクサいセリフも吐くおまけ付き(笑)
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++ コンビニで ++
起きてリビングに行くと、いつもは朝ご飯兼お昼ご飯が置いてあるテーブルに、『これで買いなさい』と言わんばかりにお金が置いてあった。
「お弁当屋さん、か、コンビニ、か……」
一人の時ほどよく出てくる独り言。
とりあえず、ゆったりとした動作でトイレなどを済ませて服を着替える。
テーブルのお金を財布に入れ、コンビニを目指して家を出た。
コンビニのそれなりに充実したおにぎりコーナーを覗きながら、食べる時に何か読もう、と思い立ち雑誌コーナーへと移動する。
そこで――見てしまった。
大人な雑誌の並ぶコーナーで立ち読みする、私の高校の教師を。
嫌いな先生なら、気持ち悪い、で済んでいたのに、恋愛対象となっている先生だからたちが悪い。先生も大人だから仕方がない、とわかってはいても多少のショックは受けるものだ。
雑誌購入を諦め、私はドリンクコーナーへと移動した。パンにするか、ご飯にするかで合う飲み物が変わる。やはり、先に昼ご飯を決めるしかない。
また、お弁当とおにぎりの置かれたコーナーへと戻ってきた。
「あっ……」
今度は思わず声に出てしまった。
「……げっ」
休日に教師と鉢合わせして嫌なのは生徒のほうなのに、先生は露骨に嫌そうな顔を浮かべた。
それでも、教師という職業のせいか、
「お、こんにちは」
と、先生は爽やかな挨拶をしてくる。
ふと、意地悪な気持ちが湧いてきた。雑誌コーナーで先生を見かけなければ、ここで素直に挨拶できただろう。
「先生、立ち読み、してた、よね?」
先生の笑顔が固まり、やがて、うなだれた。
「してました。……その様子だとどんな雑誌を読んでたかも知ってるな?」
「水着と呼べるのかも怪しいようなものを着てる女の人の表紙」
やっぱりな、と呟いて先生は顔を上げた。その明るい表情に、開き直るつもりだ、と私にもわかってしまった。
「……しょうがねぇだろうが。俺も男なんだから」
「なに、その中学生みたいな言い訳」
「いや、攻めるような目で見るからついつい」先生は何かに気付いたらしい。「……ってお前に言い訳をする必要はないじゃねえか」
話題に終止符をつけた先生は、おにぎりを選び始めた。
先生が言い訳をしてくれた時はちょっと嬉しかった。でも、直後に『必要はない』と言われてしまった。少しだけ悲しくなった。
「そうですよね。別に……いいけどさ」
私もおにぎりに手を伸ばす。こっそりと先生と同じおにぎりを選んだ。
「おでん、食うか?」
「あ、そんなにお金ないんで……」
「好きなの選べ。これくらいおごってやる」
「ラッキー」
一言で済ませたけど、本当はものすごく嬉しい。思わぬ先生の言葉に気持ちは舞い上がってしまう。
そして、今日は暖かい。
「じゃあ、先生と同じものを」
気付けば言っていた。
「同じもの? ああ……わかった」
先生は一瞬戸惑う表情を見せたけど、店員さんに、別の容器で、と言っておでんを選び始めた。
おにぎりを置いてすぐにコンビニを出たいくらいの羞恥が頭と体を巡る。告白みたいなことを言ったのではないだろうか。先生にも気付かれたかもしれない。
おにぎりを持って立ちすくんでいる私に、やがて先生が購入したおでんを持ってきた。
「ほれ。女だから俺より少なめにしておいた」
「あっ、うん。ありがとう、ござい、ます」
おでんの入った袋を渡した先生が、少しだけ顔を寄せてきた。
「俺みてえな独身男にああいうセリフは安易に言うんじゃねえぞ」
「うん、ごめんなさい」
「かといってだな……そういう風に可愛い顔で謝るのもあまりよくねえ。覚えておけよ。じゃあな」
私に返事の余地も与えず、先生は足早にコンビニを出て行った。
おにぎりを持っている私は追うこともできず、ただドアの外を見つめることしかできなかった。
今日は暖かい。
だから、先生の言葉で頬が熱くなっているわけじゃない。
でも、心が温かいのは、たぶんきっと、先生のせい――。
◇終◇
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このような場所にあるSSまで読んでくださってありがとうございました。感想のお声などありましたらコメントなどから聞かせてください。今後の励みにさせていただきます。
++ コンビニで ++
起きてリビングに行くと、いつもは朝ご飯兼お昼ご飯が置いてあるテーブルに、『これで買いなさい』と言わんばかりにお金が置いてあった。
「お弁当屋さん、か、コンビニ、か……」
一人の時ほどよく出てくる独り言。
とりあえず、ゆったりとした動作でトイレなどを済ませて服を着替える。
テーブルのお金を財布に入れ、コンビニを目指して家を出た。
コンビニのそれなりに充実したおにぎりコーナーを覗きながら、食べる時に何か読もう、と思い立ち雑誌コーナーへと移動する。
そこで――見てしまった。
大人な雑誌の並ぶコーナーで立ち読みする、私の高校の教師を。
嫌いな先生なら、気持ち悪い、で済んでいたのに、恋愛対象となっている先生だからたちが悪い。先生も大人だから仕方がない、とわかってはいても多少のショックは受けるものだ。
雑誌購入を諦め、私はドリンクコーナーへと移動した。パンにするか、ご飯にするかで合う飲み物が変わる。やはり、先に昼ご飯を決めるしかない。
また、お弁当とおにぎりの置かれたコーナーへと戻ってきた。
「あっ……」
今度は思わず声に出てしまった。
「……げっ」
休日に教師と鉢合わせして嫌なのは生徒のほうなのに、先生は露骨に嫌そうな顔を浮かべた。
それでも、教師という職業のせいか、
「お、こんにちは」
と、先生は爽やかな挨拶をしてくる。
ふと、意地悪な気持ちが湧いてきた。雑誌コーナーで先生を見かけなければ、ここで素直に挨拶できただろう。
「先生、立ち読み、してた、よね?」
先生の笑顔が固まり、やがて、うなだれた。
「してました。……その様子だとどんな雑誌を読んでたかも知ってるな?」
「水着と呼べるのかも怪しいようなものを着てる女の人の表紙」
やっぱりな、と呟いて先生は顔を上げた。その明るい表情に、開き直るつもりだ、と私にもわかってしまった。
「……しょうがねぇだろうが。俺も男なんだから」
「なに、その中学生みたいな言い訳」
「いや、攻めるような目で見るからついつい」先生は何かに気付いたらしい。「……ってお前に言い訳をする必要はないじゃねえか」
話題に終止符をつけた先生は、おにぎりを選び始めた。
先生が言い訳をしてくれた時はちょっと嬉しかった。でも、直後に『必要はない』と言われてしまった。少しだけ悲しくなった。
「そうですよね。別に……いいけどさ」
私もおにぎりに手を伸ばす。こっそりと先生と同じおにぎりを選んだ。
「おでん、食うか?」
「あ、そんなにお金ないんで……」
「好きなの選べ。これくらいおごってやる」
「ラッキー」
一言で済ませたけど、本当はものすごく嬉しい。思わぬ先生の言葉に気持ちは舞い上がってしまう。
そして、今日は暖かい。
「じゃあ、先生と同じものを」
気付けば言っていた。
「同じもの? ああ……わかった」
先生は一瞬戸惑う表情を見せたけど、店員さんに、別の容器で、と言っておでんを選び始めた。
おにぎりを置いてすぐにコンビニを出たいくらいの羞恥が頭と体を巡る。告白みたいなことを言ったのではないだろうか。先生にも気付かれたかもしれない。
おにぎりを持って立ちすくんでいる私に、やがて先生が購入したおでんを持ってきた。
「ほれ。女だから俺より少なめにしておいた」
「あっ、うん。ありがとう、ござい、ます」
おでんの入った袋を渡した先生が、少しだけ顔を寄せてきた。
「俺みてえな独身男にああいうセリフは安易に言うんじゃねえぞ」
「うん、ごめんなさい」
「かといってだな……そういう風に可愛い顔で謝るのもあまりよくねえ。覚えておけよ。じゃあな」
私に返事の余地も与えず、先生は足早にコンビニを出て行った。
おにぎりを持っている私は追うこともできず、ただドアの外を見つめることしかできなかった。
今日は暖かい。
だから、先生の言葉で頬が熱くなっているわけじゃない。
でも、心が温かいのは、たぶんきっと、先生のせい――。
◇終◇
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確かに…
コンビニの大人が読む雑誌の所で、嫌いな先生なら気持ち悪い!!になりますが^^;、好意を寄せてる先生だと複雑な心境になるの判りますね~。
そして、先生の言い訳『しょうがないだろ~』は多分絶対に言いそうですよね、現実的に(笑)。
本当に水月さんの書く小説は情景を想像出来るすごくリアル感があふれてて、字を追っていく度にドラマ見てる気になります。
この口調の先生(大人)、結構好きかも(笑)
今日も素敵な小説ありがとうです。
そして、先生の言い訳『しょうがないだろ~』は多分絶対に言いそうですよね、現実的に(笑)。
本当に水月さんの書く小説は情景を想像出来るすごくリアル感があふれてて、字を追っていく度にドラマ見てる気になります。
この口調の先生(大人)、結構好きかも(笑)
今日も素敵な小説ありがとうです。
Re:確かに…
あいかわらず素早い感想をありがとうございます。この隙のない素早さはもしや携帯から閲覧されている、とか? 何にせよ、毎度このようなところへの感想をありがとうございます。
先生の言い訳は弟の時のを参考にしてみました(笑) 弟のえっちぃ本を見つけて多少のショックを受けてた私に向かって言った母の「しょうがないやろ、男やねんから。それくらいはある」の言葉がいまだに脳裏に焼き付いており…。姉として「それはわかってるけど……でも……」と複雑な心境になった記憶が…(笑)
以前、他の方に私の小説を読むと「他人の恋愛を覗き見しているような気分になる」と言われたことがあるんですよね。書いている私は全くそんな自覚はないんですけど。書いている時の感覚を言うなら、脳内に流れているドラマ(?)をそのまま文章にしているような感じ、でしょうか。その脳内の妄想が自然と文章を通じて読者様に伝わっている? もし、そうだとしたら嬉しいですが、私の未熟筆力でそこまで伝わっているのかどうか……(笑)
この口調の大人男性お好きですか。そんなこと言われたらまた調子に乗って、こういう口調の男性を登場させてしまうやもしれません。その時は温かく笑ってやってください。
いえいえ、こちらこそ、毎回素敵な感想をありがとうございます。
先生の言い訳は弟の時のを参考にしてみました(笑) 弟のえっちぃ本を見つけて多少のショックを受けてた私に向かって言った母の「しょうがないやろ、男やねんから。それくらいはある」の言葉がいまだに脳裏に焼き付いており…。姉として「それはわかってるけど……でも……」と複雑な心境になった記憶が…(笑)
以前、他の方に私の小説を読むと「他人の恋愛を覗き見しているような気分になる」と言われたことがあるんですよね。書いている私は全くそんな自覚はないんですけど。書いている時の感覚を言うなら、脳内に流れているドラマ(?)をそのまま文章にしているような感じ、でしょうか。その脳内の妄想が自然と文章を通じて読者様に伝わっている? もし、そうだとしたら嬉しいですが、私の未熟筆力でそこまで伝わっているのかどうか……(笑)
この口調の大人男性お好きですか。そんなこと言われたらまた調子に乗って、こういう口調の男性を登場させてしまうやもしれません。その時は温かく笑ってやってください。
いえいえ、こちらこそ、毎回素敵な感想をありがとうございます。
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プロフィール
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水月
性別:
女性
自己紹介:
年齢:30代前半
在住地:近畿地方
執筆歴:15年ほど
執筆ツール:WinXPノートパソコン
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