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関係:生徒指導部教師と生徒
場所:相談室
実は、3月始め頃から最近まで、携帯電話用ゲームシナリオの仕事をしておりました。それがようやく修正の段階まできて少し落ち着いてきたので、久しぶりに自分の創作をする余裕もできた、というわけです。
……で、3/31の夕方に某所でチャットをしていたのですが、その時に相手の方が「生徒指導の先生」というキーワード?を出され、私がその言葉に大変創作意欲をそそられて、我慢できずに形にしてしまったのが今回のSSです。
ずっとシナリオ仕事をやっていたせいか、小説の勘が全く取り戻せていません。気を抜くとシナリオのようにセリフばかり書いてしまいそうになるのです。ただ、シナリオ仕事で多い字数を毎日書いていたせいか、早く書く能力だけは身についてしまったようで、今回のSSはいつもにはない速さで仕上がりました。
今回は前編ということで、もちろん後編もあります。ただ、この二人なので次回で恋愛関係になってくれるかは微妙(笑)
長さを考えると、短編にしてもよかったかな~と思いましたが、私的にリハビリ創作のつもりで書いたものなので、今回はSSとして置かせていただきます。
本当に久しぶりすぎるくらいに小説書きましたが、楽しんでいただけると嬉しいです。
場所:相談室
実は、3月始め頃から最近まで、携帯電話用ゲームシナリオの仕事をしておりました。それがようやく修正の段階まできて少し落ち着いてきたので、久しぶりに自分の創作をする余裕もできた、というわけです。
……で、3/31の夕方に某所でチャットをしていたのですが、その時に相手の方が「生徒指導の先生」というキーワード?を出され、私がその言葉に大変創作意欲をそそられて、我慢できずに形にしてしまったのが今回のSSです。
ずっとシナリオ仕事をやっていたせいか、小説の勘が全く取り戻せていません。気を抜くとシナリオのようにセリフばかり書いてしまいそうになるのです。ただ、シナリオ仕事で多い字数を毎日書いていたせいか、早く書く能力だけは身についてしまったようで、今回のSSはいつもにはない速さで仕上がりました。
今回は前編ということで、もちろん後編もあります。ただ、この二人なので次回で恋愛関係になってくれるかは微妙(笑)
長さを考えると、短編にしてもよかったかな~と思いましたが、私的にリハビリ創作のつもりで書いたものなので、今回はSSとして置かせていただきます。
本当に久しぶりすぎるくらいに小説書きましたが、楽しんでいただけると嬉しいです。
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++ 呼び出し・前編 ++
校門を越えたとたん、一人の先生が私の元へ歩いてくる。この瞬間が一番楽しみだ。
「また、か。……放課後、相談室に来なさい」
「はい……」
先生は生徒指導部。私はスカート丈の短い生徒。つまり、単なる呼び出しに過ぎない。
落ち込んだように返事をしたけど、内心では、大成功、とほくそ笑んでいる。
じっと私を見る、眼鏡の奥の先生の目が好きなのだ。
もちろん、生徒指導部の先生が生徒に好かれるわけもなく、私が先生に抱いている想いは友達には少し変人扱いされている。
でも、担任を持つこともない先生に近づこうと思ったら、これくらいしか思いつかないのだ。
なにより、先生のスーツからする、とある匂いが私はずっと気になっている。それを追求するためには、先生と二人になれる場所が欲しい。
先生がファイルを持って相談室へ入ってくる。私の向かいに座った。
「呼び出した内容は予測がついているとは思うが……」
「スカートが短い、ですよね。わかってます」
そこまで言った先生は、ファイルを開いて中を見て、ため息をついた。
肉付きがいいと自慢の太ももをちらりと先生に見せるけど、何の興味もないらしい先生は、視線をこちらに向けることもない。
「反省文の内容はいつも申し分ない。だからこそ、俺は君に一つ聞きたい」
ファイルを閉じた先生が、ひじをついて身を乗り出してくる。
「……はい」
私をじっと見るその目だけで全てを話したくなる。少しだけ、姿勢を正して先生と目を合わせる。見つめ合うような形になったから、また目をそらしてしまった。
「頭髪を染めることもなく、成績が特別悪いわけでもない。君はいつもスカート丈が短いだけだ。要領よく校門を通る時だけスカートを長くする生徒もいる」
「えっ、知ってるんですか?」
「生徒なりの知恵だろう、と見逃しているだけだ。だが、君はそんなことすらせず、堂々と私の前でその短いスカートをさらす。……どうしてだ?」
「先生を誘惑するため、です」
即座に盛大なため息が返ってきた。
冗談ではないのに。
「真剣に聞いている」
「マジメに答えました」
「それで……そのスカート丈につられた先生はいたのか?」
「いません。つられてほしい先生は全然興味がないみたいです」
「では、もう規定の長さに戻したらどうだ?」
「そうします」
今も先生のことを言っているのに、肝心の先生は全く気づいてくれない。
できることなら誘惑されてほしいけど、こんな先生だからこそ、生徒のスカートの長さなんかに惑わされてほしくない。
こうして話している間も、先生のスーツからはあの匂い――煙草の匂いがする。
「私も聞いていいですか?」
「なんだ?」
「タバコ、体に悪いですよ」
「法律違反ではない。なにより、君には関係ないだろう」
「生徒指導の先生がタバコの匂いっていうのはどうかと思います」
「……それは一理ある。今度からは匂いを消すようにしよう」
どれだけ言えば、この先生は私の思いに気づいてくれるのだろう。
少しだけじれったくなってしまった。
「うそです。先生の体が心配なんです」
ファイルを手に少しだけ腰を浮かしていた先生は、私の言葉に驚いたのか、また座りなおした。
「心配? 君が? 私が体を壊して学校を休めば、君がこうして呼び出されることもない」
「先生が学校を休んだら、お見舞いに行く」
「……そんなことを言っても、君を見逃したりはしない」
「なんで、話がそっち行くんですか? わからないんですか?」
「……何のこと、だ?」
こんな形で言うつもりはなかったけど、言ってしまわないとわかってもらえないらしい。
私が気持ちを言ったら先生がどんな風になるのか、少しだけ興味がわいてきた。
「好きなんです、先生のこと。だから、スカート短くして」
「君は馬鹿なのか? そんなことをして何の得が……」
「先生に近づきたかったから、ですけど」
「それでこんなことを?……馬鹿としか言えない」
先生のことが好きだからこそ、ここまで言われるとさすがの私でもたえられなくなる。手が震え始めている。まぶたが熱くなってくる。
「言葉選んでもらえませんか? バカです、子供です、でも好きなんです」
先生の前で泣きたくなかった。でも、泣きそうになる。
だから、席を立って私は相談室を飛び出した。
なんだか、いろんな気持ちが心と頭にうずまいていた。
◇続く◇
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読んでくださってありがとうございます。
よかったらコメント欄などから感想の声を聞かせてください。
今後の創作の励みにさせていただきます。
++ 呼び出し・前編 ++
校門を越えたとたん、一人の先生が私の元へ歩いてくる。この瞬間が一番楽しみだ。
「また、か。……放課後、相談室に来なさい」
「はい……」
先生は生徒指導部。私はスカート丈の短い生徒。つまり、単なる呼び出しに過ぎない。
落ち込んだように返事をしたけど、内心では、大成功、とほくそ笑んでいる。
じっと私を見る、眼鏡の奥の先生の目が好きなのだ。
もちろん、生徒指導部の先生が生徒に好かれるわけもなく、私が先生に抱いている想いは友達には少し変人扱いされている。
でも、担任を持つこともない先生に近づこうと思ったら、これくらいしか思いつかないのだ。
なにより、先生のスーツからする、とある匂いが私はずっと気になっている。それを追求するためには、先生と二人になれる場所が欲しい。
先生がファイルを持って相談室へ入ってくる。私の向かいに座った。
「呼び出した内容は予測がついているとは思うが……」
「スカートが短い、ですよね。わかってます」
そこまで言った先生は、ファイルを開いて中を見て、ため息をついた。
肉付きがいいと自慢の太ももをちらりと先生に見せるけど、何の興味もないらしい先生は、視線をこちらに向けることもない。
「反省文の内容はいつも申し分ない。だからこそ、俺は君に一つ聞きたい」
ファイルを閉じた先生が、ひじをついて身を乗り出してくる。
「……はい」
私をじっと見るその目だけで全てを話したくなる。少しだけ、姿勢を正して先生と目を合わせる。見つめ合うような形になったから、また目をそらしてしまった。
「頭髪を染めることもなく、成績が特別悪いわけでもない。君はいつもスカート丈が短いだけだ。要領よく校門を通る時だけスカートを長くする生徒もいる」
「えっ、知ってるんですか?」
「生徒なりの知恵だろう、と見逃しているだけだ。だが、君はそんなことすらせず、堂々と私の前でその短いスカートをさらす。……どうしてだ?」
「先生を誘惑するため、です」
即座に盛大なため息が返ってきた。
冗談ではないのに。
「真剣に聞いている」
「マジメに答えました」
「それで……そのスカート丈につられた先生はいたのか?」
「いません。つられてほしい先生は全然興味がないみたいです」
「では、もう規定の長さに戻したらどうだ?」
「そうします」
今も先生のことを言っているのに、肝心の先生は全く気づいてくれない。
できることなら誘惑されてほしいけど、こんな先生だからこそ、生徒のスカートの長さなんかに惑わされてほしくない。
こうして話している間も、先生のスーツからはあの匂い――煙草の匂いがする。
「私も聞いていいですか?」
「なんだ?」
「タバコ、体に悪いですよ」
「法律違反ではない。なにより、君には関係ないだろう」
「生徒指導の先生がタバコの匂いっていうのはどうかと思います」
「……それは一理ある。今度からは匂いを消すようにしよう」
どれだけ言えば、この先生は私の思いに気づいてくれるのだろう。
少しだけじれったくなってしまった。
「うそです。先生の体が心配なんです」
ファイルを手に少しだけ腰を浮かしていた先生は、私の言葉に驚いたのか、また座りなおした。
「心配? 君が? 私が体を壊して学校を休めば、君がこうして呼び出されることもない」
「先生が学校を休んだら、お見舞いに行く」
「……そんなことを言っても、君を見逃したりはしない」
「なんで、話がそっち行くんですか? わからないんですか?」
「……何のこと、だ?」
こんな形で言うつもりはなかったけど、言ってしまわないとわかってもらえないらしい。
私が気持ちを言ったら先生がどんな風になるのか、少しだけ興味がわいてきた。
「好きなんです、先生のこと。だから、スカート短くして」
「君は馬鹿なのか? そんなことをして何の得が……」
「先生に近づきたかったから、ですけど」
「それでこんなことを?……馬鹿としか言えない」
先生のことが好きだからこそ、ここまで言われるとさすがの私でもたえられなくなる。手が震え始めている。まぶたが熱くなってくる。
「言葉選んでもらえませんか? バカです、子供です、でも好きなんです」
先生の前で泣きたくなかった。でも、泣きそうになる。
だから、席を立って私は相談室を飛び出した。
なんだか、いろんな気持ちが心と頭にうずまいていた。
◇続く◇
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プロフィール
HN:
水月
性別:
女性
自己紹介:
年齢:30代前半
在住地:近畿地方
執筆歴:15年ほど
執筆ツール:WinXPノートパソコン
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