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関係:教師と生徒
場所:駅前
内容:クリスマス、家族の分のケーキを買った私に声をかけてきたのは――
クリスマス小説、今年は書けない予定でした。――が、いろいろ実生活の不安が払拭されて創作意欲が湧き、クリスマス小説を書こうと思った時に浮かんできたのが白衣先生だったのです。先ほど書き終えたばかりで更新してるので、少しおかしいテンションではありますが……。
作中、二人が~(ネタバレ伏せ)~をした時に即座に作者ながらツッコミました。「いや、恋人同士でもないのに」と(笑) まあ、なんといいましょうか、ちょっと進展しました。気持ちも、状況も……たぶん。
今回は二人とも真剣モードです。素直になってます。明らかにくっつきそうなのに全然くっつかない。この二人の状態は何なのでしょう。今後、彼らがどうなるのか私すらもわからなくなってきました(笑)
近々、電話編を書くと思います。というか、書きたいです。セリフだけになるか、描写も入るかは未定ですが、おまけ程度だと思っておいてください。
最後に余談。
古内東子「誰より好きなのに」私が中学だか高校だかの時に聴いてた曲です。10年以上前の曲なので知ってる人は知ってると思われます。
最近見つけて聴いて、今作SSの主人公の女の子のイメージだな、ふとそう思ったのです。全体ではなく歌詞の一部がなんとなく彼女の心情っぽいな、と。それだけです(笑)
場所:駅前
内容:クリスマス、家族の分のケーキを買った私に声をかけてきたのは――
クリスマス小説、今年は書けない予定でした。――が、いろいろ実生活の不安が払拭されて創作意欲が湧き、クリスマス小説を書こうと思った時に浮かんできたのが白衣先生だったのです。先ほど書き終えたばかりで更新してるので、少しおかしいテンションではありますが……。
作中、二人が~(ネタバレ伏せ)~をした時に即座に作者ながらツッコミました。「いや、恋人同士でもないのに」と(笑) まあ、なんといいましょうか、ちょっと進展しました。気持ちも、状況も……たぶん。
今回は二人とも真剣モードです。素直になってます。明らかにくっつきそうなのに全然くっつかない。この二人の状態は何なのでしょう。今後、彼らがどうなるのか私すらもわからなくなってきました(笑)
近々、電話編を書くと思います。というか、書きたいです。セリフだけになるか、描写も入るかは未定ですが、おまけ程度だと思っておいてください。
最後に余談。
古内東子「誰より好きなのに」私が中学だか高校だかの時に聴いてた曲です。10年以上前の曲なので知ってる人は知ってると思われます。
最近見つけて聴いて、今作SSの主人公の女の子のイメージだな、ふとそう思ったのです。全体ではなく歌詞の一部がなんとなく彼女の心情っぽいな、と。それだけです(笑)
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++ プレゼント ++
ケーキ屋の袋を持って駅前を通りかかると、ふいに声をかけられた。
「一緒にクリスマス過ごさない?」
ナンパするような人は基本的に好きじゃない。見た目で始まる関係なんて、なんだかイヤだ。話を聞くのは面倒なのでここはさらりと無視することにし、男性の横を通り過ぎる。
「○○高校二年の彼女、一人なんでしょ?」
学校名まで言い当てられ、驚いた勢いで振り向いた。
「なんで私の高校まで……」
「ああ、俺そこで教師やってるから」
男性の顔を見たとたん、何も言えなくなった。正確に言うと、少し呆れた。
寒風が吹くなか、爽やかな笑みを浮かべながら、ダウンジャケットを着た先生が立っていた。先生の服装は、カジュアルショップのポスターのように似合っていて、それこそナンパされてもおかしくない。
違う。うかつにも、私が少し見惚れてしまった。
「生徒をナンパしなくても先生だったら……」
「君が一人だったらナンパする」
私の言葉を遮るように、先生が言葉を重ねる。
「何ですか、それ?」
「夏休みに言ったことを実行しただけさ」
あいかわらず先生は飄々と笑っている。
「あ、やっぱり冗談」
「本気……だけど、君は誰かと過ごすだろ?」
先生の指が私の持っている袋を指した。
「これは家族の分です」
「じゃあ、今晩は……」
「家族と一緒です」
「そりゃまた、若い身で寂しいというか、幸せというか」
言いながら、かすかな声を出して先生が笑い始める。
友達とのクリスマスパーティーは二十三日に済ませてある。クリスマス当日はみんな彼氏やバイトで忙しいのだ。
クリスマスを好きな人と過ごしたい気持ちはわかる。ただ、私にはその『好きな人』がいないのだから仕方ない。
「先生は誰かとクリスマスを……?」
「だったら、生徒相手に苦手なナンパをしたりしないよ」
「本当に?」
「男だらけの飲み会に誘われただけ」笑いをおさめた先生は肩をすくめる。「俺のほうが寂しいね」
頭にふと『一緒に過ごしませんか?』という言葉が浮かんできた。心に押されるように喉から出そうとしたけど、現実的に考える頭がまだ残っていて、なかなか声に出して言えない。
「手を出して」
「えっ? あ、は、はい」
思考中に唐突に言われたので、何も考えず手を差し出す。
「はい、プレゼント」
先生のジャケットのポケットから小さな袋が出てきた。私の手の上にのせられる。
好奇心に任せて開け、袋を逆さにしてみると、手のひらに小さなリングが転がり落ちてきた。
「小指にするらしいよ。会ったら渡そうと思って、ずっと持ってた。ポケットに入ったまま年越しだと思ってたけど。ああ、気持ち悪かったら捨てるなりあげるなり……好きにどうぞ」
小さなピンクの石が埋め込まれたシルバーリング。男の人からプレゼントを貰ったこともなければ、こんなリングが手のひらにのっている状況になったこともない。つまり、どうすればいいのかわからない。
驚き、喜び、感動――いろんな感情が渦巻いていて頭が混乱している。
「私、プレゼントとか……何も……ないんですけど」
言ってから気づく。交換するプレゼントを持ち合わせていないから、これは返したほうがいいんじゃないだろうか。指にはめてないから未使用だ。
「じゃあ、君の携帯電話の番号」
「えっ?」
顔をあげると、私を見下ろす視線と合い、再び目をリングへと戻した。
「いや……冗談」
「えっ、冗談?」
「そうそう、冗談。プレゼントはいらない」
声が真剣だったから、先生がどんな顔をしてこんなことを言っているのか知りたくなり、ゆっくりと顔をあげてみる。
いつもの先生だったら、私と目が合えば笑ってごまかす場面。なのに、先生は全く笑っていなかった。
コートから携帯電話を取り出し、プロフィールを表示させ、先生へと画面を見せる。
「えっと……プレゼント」
「ま、待った」
先生がとたんにうろたえ始めた。あわてた様子で携帯電話を取り出し、ブツブツと言いながらキーを打っていく。
「……今晩酔うのはまずい」
先生が携帯電話をポケットへ戻すのを見て、私もコートへと戻す。
「どうしてですか?」
「君の声が聞きたくなる」
「いいですよ」
ためらうことなく返していた。私も先生の声が聞きたい。電話番号を見せた時からずっとそう思っていた。
「いや、遅くなるからやめておくよ」
「寝るの遅いから大丈夫です」
「二時でも?」
「はい」
「そんなに俺の声が聞きたい?」
先生に聞き返されてようやく気づいた。いつでもいいから電話して、とでも言うかのように、私のほうから先生に食い下がってしまっている。
先生の声を聞きたい気持ちが無意識に私を動かしていた。いろいろな気持ちを必死に押し込める。
「いつもそれくらいまで起きてるだけです」
苦笑いを浮かべて、先生は諦めたように言った。
「まあ……きっと、かけてしまうだろうね」
近くの踏み切りが鳴り始める。
「じゃあ、また今晩に」
「はい」
待ってます――そう、心の中で返した。声には出さない、出してはいけない。
先生が走って駅への階段をのぼっていくのを見送り、手のひらにあったリングを指にはめる。
ピンクの光が自分の指にある。妙に気恥ずかしくなって、手をコートのポケットに入れた。
◇終◇
---------------------------------------------------
読んでくださってありがとうございます。
よかったらコメント欄などから感想の声を聞かせてください。
今後の創作の励みにさせていただきます。
++ プレゼント ++
ケーキ屋の袋を持って駅前を通りかかると、ふいに声をかけられた。
「一緒にクリスマス過ごさない?」
ナンパするような人は基本的に好きじゃない。見た目で始まる関係なんて、なんだかイヤだ。話を聞くのは面倒なのでここはさらりと無視することにし、男性の横を通り過ぎる。
「○○高校二年の彼女、一人なんでしょ?」
学校名まで言い当てられ、驚いた勢いで振り向いた。
「なんで私の高校まで……」
「ああ、俺そこで教師やってるから」
男性の顔を見たとたん、何も言えなくなった。正確に言うと、少し呆れた。
寒風が吹くなか、爽やかな笑みを浮かべながら、ダウンジャケットを着た先生が立っていた。先生の服装は、カジュアルショップのポスターのように似合っていて、それこそナンパされてもおかしくない。
違う。うかつにも、私が少し見惚れてしまった。
「生徒をナンパしなくても先生だったら……」
「君が一人だったらナンパする」
私の言葉を遮るように、先生が言葉を重ねる。
「何ですか、それ?」
「夏休みに言ったことを実行しただけさ」
あいかわらず先生は飄々と笑っている。
「あ、やっぱり冗談」
「本気……だけど、君は誰かと過ごすだろ?」
先生の指が私の持っている袋を指した。
「これは家族の分です」
「じゃあ、今晩は……」
「家族と一緒です」
「そりゃまた、若い身で寂しいというか、幸せというか」
言いながら、かすかな声を出して先生が笑い始める。
友達とのクリスマスパーティーは二十三日に済ませてある。クリスマス当日はみんな彼氏やバイトで忙しいのだ。
クリスマスを好きな人と過ごしたい気持ちはわかる。ただ、私にはその『好きな人』がいないのだから仕方ない。
「先生は誰かとクリスマスを……?」
「だったら、生徒相手に苦手なナンパをしたりしないよ」
「本当に?」
「男だらけの飲み会に誘われただけ」笑いをおさめた先生は肩をすくめる。「俺のほうが寂しいね」
頭にふと『一緒に過ごしませんか?』という言葉が浮かんできた。心に押されるように喉から出そうとしたけど、現実的に考える頭がまだ残っていて、なかなか声に出して言えない。
「手を出して」
「えっ? あ、は、はい」
思考中に唐突に言われたので、何も考えず手を差し出す。
「はい、プレゼント」
先生のジャケットのポケットから小さな袋が出てきた。私の手の上にのせられる。
好奇心に任せて開け、袋を逆さにしてみると、手のひらに小さなリングが転がり落ちてきた。
「小指にするらしいよ。会ったら渡そうと思って、ずっと持ってた。ポケットに入ったまま年越しだと思ってたけど。ああ、気持ち悪かったら捨てるなりあげるなり……好きにどうぞ」
小さなピンクの石が埋め込まれたシルバーリング。男の人からプレゼントを貰ったこともなければ、こんなリングが手のひらにのっている状況になったこともない。つまり、どうすればいいのかわからない。
驚き、喜び、感動――いろんな感情が渦巻いていて頭が混乱している。
「私、プレゼントとか……何も……ないんですけど」
言ってから気づく。交換するプレゼントを持ち合わせていないから、これは返したほうがいいんじゃないだろうか。指にはめてないから未使用だ。
「じゃあ、君の携帯電話の番号」
「えっ?」
顔をあげると、私を見下ろす視線と合い、再び目をリングへと戻した。
「いや……冗談」
「えっ、冗談?」
「そうそう、冗談。プレゼントはいらない」
声が真剣だったから、先生がどんな顔をしてこんなことを言っているのか知りたくなり、ゆっくりと顔をあげてみる。
いつもの先生だったら、私と目が合えば笑ってごまかす場面。なのに、先生は全く笑っていなかった。
コートから携帯電話を取り出し、プロフィールを表示させ、先生へと画面を見せる。
「えっと……プレゼント」
「ま、待った」
先生がとたんにうろたえ始めた。あわてた様子で携帯電話を取り出し、ブツブツと言いながらキーを打っていく。
「……今晩酔うのはまずい」
先生が携帯電話をポケットへ戻すのを見て、私もコートへと戻す。
「どうしてですか?」
「君の声が聞きたくなる」
「いいですよ」
ためらうことなく返していた。私も先生の声が聞きたい。電話番号を見せた時からずっとそう思っていた。
「いや、遅くなるからやめておくよ」
「寝るの遅いから大丈夫です」
「二時でも?」
「はい」
「そんなに俺の声が聞きたい?」
先生に聞き返されてようやく気づいた。いつでもいいから電話して、とでも言うかのように、私のほうから先生に食い下がってしまっている。
先生の声を聞きたい気持ちが無意識に私を動かしていた。いろいろな気持ちを必死に押し込める。
「いつもそれくらいまで起きてるだけです」
苦笑いを浮かべて、先生は諦めたように言った。
「まあ……きっと、かけてしまうだろうね」
近くの踏み切りが鳴り始める。
「じゃあ、また今晩に」
「はい」
待ってます――そう、心の中で返した。声には出さない、出してはいけない。
先生が走って駅への階段をのぼっていくのを見送り、手のひらにあったリングを指にはめる。
ピンクの光が自分の指にある。妙に気恥ずかしくなって、手をコートのポケットに入れた。
◇終◇
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読んでくださってありがとうございます。
よかったらコメント欄などから感想の声を聞かせてください。
今後の創作の励みにさせていただきます。
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メリークリスマス♪♪
偶然にも、クリスマスイブにこのお話が読めてラッキー♪久々の白衣先生ですね! 今夜は子供が寝静まったら、ツリーの下にブツを仕込む為待機です♪ しかし。。今回もじれった~い!(そこもツボだけど)結構ストレートなコトしてる割にね♪
Re:メリークリスマス♪♪
お久しぶりです、ながのさん。感想ありがとうございます。
今年のクリスマス小説は本当に「もうだめだな」と思っていたんですよ。だけど、いいタイミングで創作意欲が湧いてくれました。イベントごとになると動かしやすい白衣先生です。
え、じれったいですかね? かなり二人ともがんばったほうだと思っているのですが……。先生はまさか彼女に会えるとは思ってなかったので調子崩されてます、という裏設定(笑)
すこーしずつ進んでいくのがこの二人の面白さ。というか私が書いていて楽しいだけなんですが。これからも微笑ましく見守ってやってください♪
今年のクリスマス小説は本当に「もうだめだな」と思っていたんですよ。だけど、いいタイミングで創作意欲が湧いてくれました。イベントごとになると動かしやすい白衣先生です。
え、じれったいですかね? かなり二人ともがんばったほうだと思っているのですが……。先生はまさか彼女に会えるとは思ってなかったので調子崩されてます、という裏設定(笑)
すこーしずつ進んでいくのがこの二人の面白さ。というか私が書いていて楽しいだけなんですが。これからも微笑ましく見守ってやってください♪
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自己紹介:
年齢:30代前半
在住地:近畿地方
執筆歴:15年ほど
執筆ツール:WinXPノートパソコン
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