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関係:教師と生徒
アホみたいに久しぶりの更新になります。いや、本当にお待たせしました。お待たせした甲斐のあるものになっているかの自信は全くありませんが……。
昨晩書いたものです。とある恋愛ゲームのイベント回想を見ていたら、ツンデレ先生というか表面上は冷たいのに中は熱いぞ、というような先生を書きたくなりまして。最近は途中まで書いてはボツにする、ということが多々あったので今回も「どうなることやら」と思いながら書いていました。途中で詰まったりもしたので「やばいかな」と思ったのですが、集中力や意欲がなくなることもなく無事に書き上げられました。
自分の気持ちをすんなりとは言ってくれない先生、というのは今まで割と書いてきたのですが、今回の先生はちょっと無駄にひねくれとるような気がします (笑) ラスト近辺は主人公に入り込んでドキドキしつつも、片隅に残っている私が「めんどくさい人だな」と苦笑いしてました。ただ、こういう人だからこそ「好き」と言うとパンチ力あるような気が……。とにかく、今回は主人公の察しが良くて助かりました(笑)
改めて……久しぶりすぎる執筆でお待たせした甲斐のあるものになっているかはわかりませんが、今までのSS同様、今回もドキドキしたり楽しんでいただけるものになっていれば幸いです。
アホみたいに久しぶりの更新になります。いや、本当にお待たせしました。お待たせした甲斐のあるものになっているかの自信は全くありませんが……。
昨晩書いたものです。とある恋愛ゲームのイベント回想を見ていたら、ツンデレ先生というか表面上は冷たいのに中は熱いぞ、というような先生を書きたくなりまして。最近は途中まで書いてはボツにする、ということが多々あったので今回も「どうなることやら」と思いながら書いていました。途中で詰まったりもしたので「やばいかな」と思ったのですが、集中力や意欲がなくなることもなく無事に書き上げられました。
自分の気持ちをすんなりとは言ってくれない先生、というのは今まで割と書いてきたのですが、今回の先生はちょっと無駄にひねくれとるような気がします (笑) ラスト近辺は主人公に入り込んでドキドキしつつも、片隅に残っている私が「めんどくさい人だな」と苦笑いしてました。ただ、こういう人だからこそ「好き」と言うとパンチ力あるような気が……。とにかく、今回は主人公の察しが良くて助かりました(笑)
改めて……久しぶりすぎる執筆でお待たせした甲斐のあるものになっているかはわかりませんが、今までのSS同様、今回もドキドキしたり楽しんでいただけるものになっていれば幸いです。
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++ きらい ++
放課後はいつも先生と二人きりで実験室だ。
私の想い人である先生が顧問をしているから、という理由だけで科学部に入ったけど、まさかここまで幽霊部員が多いとは思ってもいなかった。部活にならないから困る、と思ったことは一度もない。むしろ、この状況はありがたい。
部員がたった一人しか来てないのに、先生はちゃんと毎日実験室に来る。今日もいつものように私の喋りを適当にかわしながら実験をし、今は器材の洗浄や片づけを黙々とやっている。
私も、いつものように実験結果をプリントにまとめていた。
「結局……今日も二人きりでしたね」
「期待はしていない」
シャーペンを動かす手を止め、無愛想につぶやく先生の端整な横顔を盗み見る。
顔だけで言うなら、先生はモテる。ただ、とにかく冷たい。最初はクールだと近づいた女子も結局は離れていく。
私も先生に想いを告げて冷たくフられた一人だ。それでも部活に来る根性に免じてなのか、多少の雑談の相手ならしてくれるようになった。他の女子とは違う扱いを受けている、それだけで十分にうれしい。
「先生、今日も好きです」
先生を見るたびにあふれ出る思いのたけをぶつける。どうせ一度告白をした身、気持ちは先生にばれているのだ。
「私は嫌いだ」
生徒と恋愛など面倒ごとは嫌いだ――あの日、そう言ってふられた。それ以来、好きと言えば嫌いと返される。でも、先生はこうして部活にも来てくれるし、私の相手もしてくれる。本当に嫌われてるわけじゃない、といううぬぼれが自信となって先生と話す原動力になっている。
「そっか……。でも、嫌いが好きに変わる日がくるかも、なんで気長にがんばります」
自分を励ますようにそう言って、私は再びプリントへと目を戻した。嫌いと言われるのはいつものことだから、いちいちショックを受けていられない。
私がプリントに戻ったのと入れ違いに水道の音が止まった。なんとなく見られているような気がして顔を上げると、蛇口に手をかけたまま先生は私を見ていた。何も言わず、その視線は私を見下ろしたまま止まっている。
何か言うつもりなのか、私が何かを言うのを待っているのか。無表情な先生の顔を見ても何もわからない。
「なんですか?」
「明日も来るのか?」
「来ますよ?」
「私は……」いやな予感がする。「お前が嫌いだ」
「……えっ?」
「最近、特にそう思うようになった」
嫌いだという言葉は確かにいつも聞いている。でも、こんな風に言われたのは初めてだ。突然のことに頭がついていかない。
「えっと……じゃあ私は退部したら……」
「そんなことはしなくていい。ただ、顧問と部員として以外の話はするな。お前の恋愛感情をぶつけられても困る」
「あ、じゃあ辞めなくてもいいんだ。でも……」
シャーペンを持つ手が汗ばんでくる。
これからも先生の傍にいてもいい。でも、部員以外の感情を持ってはいけない。そういうことなのだろう。
添えていた手の中でプリントがくしゃりと音をたてる。
「先生……明日、退部届出します」
本当に嫌われていると知って、それでも先生の傍にいられるほど私は強くない。
乱暴にペンケースにシャーペンを入れて無理やり鞄へ押し込む。開いたままの鞄を肩にかけて、さようなら、とだけ言って先生の横を通り過ぎた。
「そこまでしなくていい」
瞬間、後ろから先生に腕をつかまれた。振り払って出て行けばいいのに、力強い感触に体と心がしびれる。
これだけのことでときめいてしまう気持ちも、これからは抑えないといけないのだ。
「無理なんです。どんどん好きになるから……先生が困っても止められないんです。好きって言うだけじゃ足りないくらい。それに、私が辞めれば先生は嫌いな人と顔を合わせなくて……わっ!」
強い力で後ろへ引かれ、バランスを崩した私はドンと何かに体をぶつけた。
背中が暖かい感触に包まれている。肩は先生の腕に抱きとめられている。
「私は面倒ごとが嫌いだ。生徒と恋愛など考えるだけでもうんざりする」
「じゃあ……離してください」
嘘だ――先生の温もりと、近くで聴ける声から離れたくはない。だからこそ、先生から離してほしかった。
「年下にもお前にも興味はない。そんなものに振り回される気もない」
「だから、離してください」
先生の腕はゆるやかに肩に回されている。本気でもがけばいつでも離れられる。そこまでの力が出せないのは、この腕の中が心地いいと思っているから。改めて振られているというのに、私の心はどんどん充たされていく。
「……離したくない」
「嫌い……なのに?」
「ああ、嫌いだ。だから、私が嫌いだと言っているうちに離れてくれれば……こんな面倒ごとにも巻き込まれずに済んだ」
嫌いだと言われているのに、どうしてこんなに胸がときめくのだろう。
肩にまわされた腕にそっと触れてみた。頬を乗せても、腕は離れることなく私を抱きとめている。
「巻き込んでごめんなさい。でも、私は先生が好きです」
「……だから、私はお前が嫌いだ」
「先生、聞いてもいいですか?」
「なんだ?」
「嫌いって言ってるけど、私のこと好きですよね?」
「……いや、嫌いだ」
先生の答えに反して、私の肩にまわされた腕は強く抱きしめてくる。
好きです、と呟き、愛しい人の腕を感じながら私は微笑んだ。
◇終◇
---------------------------------------------------
読んでくださってありがとうございます。
よかったらコメント欄などから感想の声を聞かせてください。
今後の創作の励みにさせていただきます。
++ きらい ++
放課後はいつも先生と二人きりで実験室だ。
私の想い人である先生が顧問をしているから、という理由だけで科学部に入ったけど、まさかここまで幽霊部員が多いとは思ってもいなかった。部活にならないから困る、と思ったことは一度もない。むしろ、この状況はありがたい。
部員がたった一人しか来てないのに、先生はちゃんと毎日実験室に来る。今日もいつものように私の喋りを適当にかわしながら実験をし、今は器材の洗浄や片づけを黙々とやっている。
私も、いつものように実験結果をプリントにまとめていた。
「結局……今日も二人きりでしたね」
「期待はしていない」
シャーペンを動かす手を止め、無愛想につぶやく先生の端整な横顔を盗み見る。
顔だけで言うなら、先生はモテる。ただ、とにかく冷たい。最初はクールだと近づいた女子も結局は離れていく。
私も先生に想いを告げて冷たくフられた一人だ。それでも部活に来る根性に免じてなのか、多少の雑談の相手ならしてくれるようになった。他の女子とは違う扱いを受けている、それだけで十分にうれしい。
「先生、今日も好きです」
先生を見るたびにあふれ出る思いのたけをぶつける。どうせ一度告白をした身、気持ちは先生にばれているのだ。
「私は嫌いだ」
生徒と恋愛など面倒ごとは嫌いだ――あの日、そう言ってふられた。それ以来、好きと言えば嫌いと返される。でも、先生はこうして部活にも来てくれるし、私の相手もしてくれる。本当に嫌われてるわけじゃない、といううぬぼれが自信となって先生と話す原動力になっている。
「そっか……。でも、嫌いが好きに変わる日がくるかも、なんで気長にがんばります」
自分を励ますようにそう言って、私は再びプリントへと目を戻した。嫌いと言われるのはいつものことだから、いちいちショックを受けていられない。
私がプリントに戻ったのと入れ違いに水道の音が止まった。なんとなく見られているような気がして顔を上げると、蛇口に手をかけたまま先生は私を見ていた。何も言わず、その視線は私を見下ろしたまま止まっている。
何か言うつもりなのか、私が何かを言うのを待っているのか。無表情な先生の顔を見ても何もわからない。
「なんですか?」
「明日も来るのか?」
「来ますよ?」
「私は……」いやな予感がする。「お前が嫌いだ」
「……えっ?」
「最近、特にそう思うようになった」
嫌いだという言葉は確かにいつも聞いている。でも、こんな風に言われたのは初めてだ。突然のことに頭がついていかない。
「えっと……じゃあ私は退部したら……」
「そんなことはしなくていい。ただ、顧問と部員として以外の話はするな。お前の恋愛感情をぶつけられても困る」
「あ、じゃあ辞めなくてもいいんだ。でも……」
シャーペンを持つ手が汗ばんでくる。
これからも先生の傍にいてもいい。でも、部員以外の感情を持ってはいけない。そういうことなのだろう。
添えていた手の中でプリントがくしゃりと音をたてる。
「先生……明日、退部届出します」
本当に嫌われていると知って、それでも先生の傍にいられるほど私は強くない。
乱暴にペンケースにシャーペンを入れて無理やり鞄へ押し込む。開いたままの鞄を肩にかけて、さようなら、とだけ言って先生の横を通り過ぎた。
「そこまでしなくていい」
瞬間、後ろから先生に腕をつかまれた。振り払って出て行けばいいのに、力強い感触に体と心がしびれる。
これだけのことでときめいてしまう気持ちも、これからは抑えないといけないのだ。
「無理なんです。どんどん好きになるから……先生が困っても止められないんです。好きって言うだけじゃ足りないくらい。それに、私が辞めれば先生は嫌いな人と顔を合わせなくて……わっ!」
強い力で後ろへ引かれ、バランスを崩した私はドンと何かに体をぶつけた。
背中が暖かい感触に包まれている。肩は先生の腕に抱きとめられている。
「私は面倒ごとが嫌いだ。生徒と恋愛など考えるだけでもうんざりする」
「じゃあ……離してください」
嘘だ――先生の温もりと、近くで聴ける声から離れたくはない。だからこそ、先生から離してほしかった。
「年下にもお前にも興味はない。そんなものに振り回される気もない」
「だから、離してください」
先生の腕はゆるやかに肩に回されている。本気でもがけばいつでも離れられる。そこまでの力が出せないのは、この腕の中が心地いいと思っているから。改めて振られているというのに、私の心はどんどん充たされていく。
「……離したくない」
「嫌い……なのに?」
「ああ、嫌いだ。だから、私が嫌いだと言っているうちに離れてくれれば……こんな面倒ごとにも巻き込まれずに済んだ」
嫌いだと言われているのに、どうしてこんなに胸がときめくのだろう。
肩にまわされた腕にそっと触れてみた。頬を乗せても、腕は離れることなく私を抱きとめている。
「巻き込んでごめんなさい。でも、私は先生が好きです」
「……だから、私はお前が嫌いだ」
「先生、聞いてもいいですか?」
「なんだ?」
「嫌いって言ってるけど、私のこと好きですよね?」
「……いや、嫌いだ」
先生の答えに反して、私の肩にまわされた腕は強く抱きしめてくる。
好きです、と呟き、愛しい人の腕を感じながら私は微笑んだ。
◇終◇
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読んでくださってありがとうございます。
よかったらコメント欄などから感想の声を聞かせてください。
今後の創作の励みにさせていただきます。
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お久しぶりです♪
うわ~♪待ってました!如何していらっしゃるかと心配になりましたが、安心しました♪
『嫌い』と『好き』は背中合わせなんですね~。。遠い昔私も先生に惚れてしまったけど、とても伝えられるモノとは思わなかったので、ちとウラヤマシ♪ 卒業後2~3年後から始まる二人っていうのも読んでみたいです♪
『嫌い』と『好き』は背中合わせなんですね~。。遠い昔私も先生に惚れてしまったけど、とても伝えられるモノとは思わなかったので、ちとウラヤマシ♪ 卒業後2~3年後から始まる二人っていうのも読んでみたいです♪
Re:お久しぶりです♪
お久しぶりです、ながのさん。色々と精神的にバタバタしていまして、なかなか落ち着いて創作意欲を発散する時間が取れませんでした。お待たせしてすみません。寒さも厳しいのでしばらくはPCに向かう時間も少なくなりそうです……。
卒業後に始まる……短編かSSで書いたことがあったような? 私は先生を好きになったことがないので実体験としての気持ちはわかりませんが、何かしらながのさんの思い出をくすぐることができたなら嬉しいです。
感想ありがとうございました。
卒業後に始まる……短編かSSで書いたことがあったような? 私は先生を好きになったことがないので実体験としての気持ちはわかりませんが、何かしらながのさんの思い出をくすぐることができたなら嬉しいです。
感想ありがとうございました。
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自己紹介:
年齢:30代前半
在住地:近畿地方
執筆歴:15年ほど
執筆ツール:WinXPノートパソコン
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