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関係:教師と生徒
場所:屋上
内容:屋上でさぼっていた私。他に来たのはどうやら先生と一人の女子。反対側で二人はとんでもないことを始めた。

本当に久しぶりのSSです。ネタも思いついたので久しぶりにリハビリも兼ねて書いてみました。まあまあ戻ってきてる感じです。
今回SSで書こうと思ったのは「まったりエロス」(笑) いや、その、ネット友達とメールでそんなやりとりしてたんで……。春らしくまったりとしたものを書きたい、のつもりだったのですがそもそも「まったりエロス」って何なんでしょうね?(笑)
エロスだとか言ってますけど、あいかわらず特に何の年齢規制もいらないものに仕上がってます。そういう行為シーンもさっぱり出てきませんので過度の期待はしないでください、ほんと。
今回のSS、恋愛未満にする気はなかったのですが、なんかもう流れ的にこうなるしかなかった二人です。今後どうなるかさっぱりですし、今後続きがあるのかもさっぱりです。いつものことです。それが私の衝動書き(笑)
では、楽しんでいただけることを願って――。

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 ++ 盗み聞き ++

 校舎の屋上は人目につくようで意外とつかない、かっこうのさぼり場所なのだ。
 休み時間終了のチャイムが鳴ると同時に学校のざわめきが小さくなっていく。屋上のドアの反対側へと移動して、小さなコンクリートブロックを椅子代わりに座る。
 ドアが開いて足音がする。やがて、かすかに流れてくる煙草の匂い。
 仮に、屋上で顔を合わせることがあっても、互いに干渉するような馬鹿はしない。見なかったふりをするだけ。それぞれが思い思いに過ごしている。
 さらに誰かが屋上へ来た。
「あ、なに? 先生もさぼり?」
 明るい女子の声が聞こえる。言葉から推測すれば、煙草の匂いは『先生』と呼ばれた人のものなのだろう。
「俺は授業がないだけ。さぼりじゃねぇな」
 若いその『先生』の声に聞き覚えがあった。
「昨日、彼氏とやりすぎちゃってさ。すっごい眠いんだよね」
「はいはい、若いって素敵ですね」
「先生も試してみる? あたし、うまいのよ、これが……先生ならわかるでしょ?」
「……いらねぇよ」
「どうせ何もすることないんだし、先生も気持ちよくなろうよ。ね?」
「暇なら授業に出ろよ。いらねぇって言って……あっ」
「そんなこと言って、しっかり反応してんじゃん」
 二人の会話はそこで止まった。
 あとは、水音にときおり吐息まじりの声が響いてくる。
 二人の間に何が起きているのか、全く想像がつかないわけではない。でも、こんな身近な場所で聞いたことなんてあるわけがない。どうすることもできず、ただ、響く音を聞いていた。
 小さな呻き声の後に、女子生徒らしき人のため息。
「どう? よかったでしょ?」
「まあまあ、ってとこだな」
「これだけ出したくせに大人げないよね。ま、いいけど。あたし、やっぱり保健室で寝てくる」
「だから……授業に出ろよ」
「またここで会うことがあったら処理してあげるね、先生」
「いらねぇって」
 鉄のドアが開いて、小さな音をたてて閉じた。
 盗み聞きしてしまった罪悪感と、張り詰めていた緊張が、一気にため息となって出てくる。
 煙草の匂いはまだなくならない。『先生』はいるのだ。
「おい、いるんだろ?」
 大きく呼びかけてくる先生の声。
 悲鳴をあげそうになるほど驚いたけど、バレてしまう恐怖で反射的にそれを飲み込んだ。
「女子だってことはわかってんだ。誰だって聞かねぇから学年だけ教えろ」
「……二年」
「よりによって……担任の学年か。じゃあ、俺が誰かもわかってんだな?」
「はい」
「黙ってろよ。誰にも言うなよ?」
「もちろん、です」
 私が誰かに言えば、先生もまずいけど、さぼっていた私もまずい。それはわかっている。屋上では「見て見ぬふり」が暗黙のマナーなのだ。
 先生の質問は止まったけど、私の心臓のドキドキはおさまらない。のんびりとさぼるつもりだったのに、いろんなことが起こりすぎた。
 落ち着こうと三度ほど深呼吸を繰り返した私の視界に、反対側にいたはずの先生が入ってきた。
「悪い、悪い。俺だけ知られてるのも不公平だと思って見に来た」
 逃げようとした腕を、先生につかまえられる。
「あっ……わ、私はあんなことできませんから! 無理です!」
「いらねぇよ。だいたい、さっき抜いたばっかでそんなにすぐ……」
 先生の手に力がこもる。少しだけ引き寄せられた。私の顔を覗き込んでくる。顔を遠ざけると、先生がにやりと口元をゆがませた。
「やっぱり盗み聞きしてやがったか」
「……聞こえてきただけです」
「言っておくけど、ヤってたわけじゃねぇからな」
「そうとしか聞こえませんでした」
「無理やり咥えられたんだ」
 何を、とは聞かなかった。耳年増だから、そういう方面の知識だけは無駄にある。でも、わかってるからといって、ここでどう返せばいいのまではわからない。
 はっ、と笑って先生が私の腕を離す。
 後ずさって先生から多少の距離をとった。
「好奇心旺盛なお年頃ってやつか……。さっきも言ったけど、お前がさぼってたことは黙っててやるから、俺のも黙ってろよ?」
「もし……私が誰かに言おうとしたら?」
「そうだな……」
 先生がシャツのボタンをはずしていく。文化系顧問で、体育教師でもないのに、先生の体は適度な筋肉で引き締まっていた。
「俺の体で黙らせる」
 先生の言葉は本気じゃないってわかっているのに、先生の顔と体から目が離せない。この体なら従ってしまうかもしれない。そんなことまで考えてしまっていた。
「なに黙ってんだ? 冗談に決まってんだろ」
 先生の指がボタンをとめる。私の目を奪った腹筋や胸がシャツの中におさめられていく。
「わかってたんですけど……つい」
「……つい?」
「なんでもないです」
「あ、そう。俺が言うのもアレだけど……さぼりはほどほどにな」
「はい」
 ひらりと手を振って歩いていく先生の後姿を眺める。
 この曜日のこの時間は、またここに来てしまうのだろう。
 そんな気がしていた――。


 ◇終◇


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無題
この恋愛未満な感じが妄想を逞しくさせてくれますね(笑)よろしければまた続きが読みたいです
NONAME 2008/04/15(Tue)12:57:11 編集
Re:無題
早速の感想をありがとうございます。
恋愛未満どころか私の中にも二人のその後が未設定なので、もう妄想はお好きにしてやってください(笑)
続きはお約束できませんが、もしまた書きました暁にはぜひ読んでいただけるとうれしいです。
【2008/04/15 22:26】
SS探しなどにどうぞ
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