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関係:武将とくノ一
場所:道端?
内容:腕をつかんできた男は以前策略に利用した者だった。男は私を探していたと言うが――
なんとなく思いついてストーリーを簡単にメモしたら書けそうだったので書いた、としか裏話がない作品(笑)
二人の想いを言えない立場ってものに焦れてきているのは私かもしれないな、とラスト付近を書きながら思ってました。
実はこのネタの前に、二人が一晩過ごしてしまうネタもあったのですが、書いてみたらどうにもしっくりこないのでボツに。
最近はもっぱら「太閤立志伝」という歴史ゲームにハマってます。
「~城が攻め落とされました」という簡易報告を逐一忍者がしてくれるのです。たとえ主人公が浪人の身であっても。基本的にゲームはまり中は創作は一切できないのですが、そのおかげで忍者が書きたくて書きたくて(笑)
ゲームにハマっている間の創作はおそらく「忍者と姫」か「くノ一もの」になってしまうと思います。やっぱり和風好きだな、と痛感。
あ、余談。EXILEの新曲いいですね。EXILEに関わらず最近は新曲チェックはめったにしないのですが、これは久々のツボで今回のSS執筆BGMにしてました。
場所:道端?
内容:腕をつかんできた男は以前策略に利用した者だった。男は私を探していたと言うが――
なんとなく思いついてストーリーを簡単にメモしたら書けそうだったので書いた、としか裏話がない作品(笑)
二人の想いを言えない立場ってものに焦れてきているのは私かもしれないな、とラスト付近を書きながら思ってました。
実はこのネタの前に、二人が一晩過ごしてしまうネタもあったのですが、書いてみたらどうにもしっくりこないのでボツに。
最近はもっぱら「太閤立志伝」という歴史ゲームにハマってます。
「~城が攻め落とされました」という簡易報告を逐一忍者がしてくれるのです。たとえ主人公が浪人の身であっても。基本的にゲームはまり中は創作は一切できないのですが、そのおかげで忍者が書きたくて書きたくて(笑)
ゲームにハマっている間の創作はおそらく「忍者と姫」か「くノ一もの」になってしまうと思います。やっぱり和風好きだな、と痛感。
あ、余談。EXILEの新曲いいですね。EXILEに関わらず最近は新曲チェックはめったにしないのですが、これは久々のツボで今回のSS執筆BGMにしてました。
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++ 立場 ++
町娘の姿で歩いている時、ふと往来で腕をつかまれた。
「そなたは……」
その男の顔にはかすかに見覚えがあった。以前に任務で『彼の心』を利用したことがあるのだ。
男は嬉しそうに私の腕をつかんで道の端へと引っ張る。
「愛していると言ってくれたそなたをずっと探していた」
本気になった男に対して、痛む心はない。むしろ、哀れだとさえ思う。騙され、利用され、偽りの言葉をいつまでも引きずっている。
そっと、男の手を腕から引き剥がした。
「私は貴方にふさわしくありません。どうか、違う御方を……」
今度は私の両手をとって男が言う。
「そなたがどんな身分の者でも私は良い」
「ですが……私には言い交わした者がおります」
男の表情が一変した。危険な目だ。まとう空気まで変わった。
「愛していると言ったは……偽りか?」
私の両手を離した男は、刀へと手をかけている。
結った髪の中へ隠していた針に指をかけ、男の動向を見守った。抜けば私も動く。
男女の情愛とは全く違う緊張が私たちの間に流れていた。無闇に踏み込んでこないあたり、この男も剣術に多少の心得があるようだ。
だが、男の手を抑える別の手に、緊張の矛先が変わった。
私も手をたどってその人物を見る。彼――だ。
「この娘と言い交わした者だ」
男をつかんだ手を緩めることなく、彼は平然と言った。
釈然としない顔をしていたが、男は、離せ、と短く言ったのち去っていった。
男の後姿を追っていた彼は、視線を私へと転じる。
「一時の偽りだとしても、男の始末はつけて去るんだな」
「偽りでない時もあるの」
彼に向けられた想い、自分でもこの気持ちの正体には気づいている。偽りなどではない。いや、偽らなければいけない真実の心。
私の言葉の意味に彼は気づいただろうか。沈黙と無表情からは何も読み取れない。
彼の口がひらく。
「俺はお前に心を移してはいない」
ならば、なぜ私を助けたのか。このような場を見過ごせない人なのか。これらを問うてしまえば、自分の本音をさらし、彼の本心も聞きだそうとしてしまうだろう。
「……そう、助かるわ」
歩き出した彼が、私の横を通り過ぎようとする刹那、
「あなたは……」
その横顔に呼びかけていた。
どんな身分の者でも良いと言ってくれる――訊ねようとしたが、愚かな質問だと飲み込んだ。それを聞いて彼にどんな答えを望むのか。
「いいえ、何でもない」
「……そうか」
足を止めた彼が振り返る。
惹かれた目が、重ねたことのある唇が近い。
私たちが、その姿のままの町娘と侍であったなら――。
「……ありがとう」
彼が動かないから、私から走り出した。いや、逃げ出した。
しばらく走って振り返ったが、彼が追いかけてくることはなかった。
これでいい。そう思いながらも胸はかすかに痛んでいた。
―了―
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読んでくださってありがとうございます。
よかったらコメント欄などから感想の声を聞かせてください。
今後の創作の励みにさせていただきます。
++ 立場 ++
町娘の姿で歩いている時、ふと往来で腕をつかまれた。
「そなたは……」
その男の顔にはかすかに見覚えがあった。以前に任務で『彼の心』を利用したことがあるのだ。
男は嬉しそうに私の腕をつかんで道の端へと引っ張る。
「愛していると言ってくれたそなたをずっと探していた」
本気になった男に対して、痛む心はない。むしろ、哀れだとさえ思う。騙され、利用され、偽りの言葉をいつまでも引きずっている。
そっと、男の手を腕から引き剥がした。
「私は貴方にふさわしくありません。どうか、違う御方を……」
今度は私の両手をとって男が言う。
「そなたがどんな身分の者でも私は良い」
「ですが……私には言い交わした者がおります」
男の表情が一変した。危険な目だ。まとう空気まで変わった。
「愛していると言ったは……偽りか?」
私の両手を離した男は、刀へと手をかけている。
結った髪の中へ隠していた針に指をかけ、男の動向を見守った。抜けば私も動く。
男女の情愛とは全く違う緊張が私たちの間に流れていた。無闇に踏み込んでこないあたり、この男も剣術に多少の心得があるようだ。
だが、男の手を抑える別の手に、緊張の矛先が変わった。
私も手をたどってその人物を見る。彼――だ。
「この娘と言い交わした者だ」
男をつかんだ手を緩めることなく、彼は平然と言った。
釈然としない顔をしていたが、男は、離せ、と短く言ったのち去っていった。
男の後姿を追っていた彼は、視線を私へと転じる。
「一時の偽りだとしても、男の始末はつけて去るんだな」
「偽りでない時もあるの」
彼に向けられた想い、自分でもこの気持ちの正体には気づいている。偽りなどではない。いや、偽らなければいけない真実の心。
私の言葉の意味に彼は気づいただろうか。沈黙と無表情からは何も読み取れない。
彼の口がひらく。
「俺はお前に心を移してはいない」
ならば、なぜ私を助けたのか。このような場を見過ごせない人なのか。これらを問うてしまえば、自分の本音をさらし、彼の本心も聞きだそうとしてしまうだろう。
「……そう、助かるわ」
歩き出した彼が、私の横を通り過ぎようとする刹那、
「あなたは……」
その横顔に呼びかけていた。
どんな身分の者でも良いと言ってくれる――訊ねようとしたが、愚かな質問だと飲み込んだ。それを聞いて彼にどんな答えを望むのか。
「いいえ、何でもない」
「……そうか」
足を止めた彼が振り返る。
惹かれた目が、重ねたことのある唇が近い。
私たちが、その姿のままの町娘と侍であったなら――。
「……ありがとう」
彼が動かないから、私から走り出した。いや、逃げ出した。
しばらく走って振り返ったが、彼が追いかけてくることはなかった。
これでいい。そう思いながらも胸はかすかに痛んでいた。
―了―
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今後の創作の励みにさせていただきます。
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プロフィール
HN:
水月
性別:
女性
自己紹介:
年齢:30代前半
在住地:近畿地方
執筆歴:15年ほど
執筆ツール:WinXPノートパソコン
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