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関係:教師と生徒
場所:社会科教室
内容:女子生徒と先生の会話を通りすがりに聞いてしまった私。何も言っていない私に「質問なら昼休みに」と先生が強引に約束を――。

久しぶりの白衣先生です。
なんとなく軽くてちょっとエッチなことを言う大人男を書いてみたくなり、あれこれとカップリングを思案しているうちに、なぜか白衣先生が浮かび……(笑)
というわけで、ちょっとエッチなことを言わせてみたかった。それだけのためにSSが生まれました。
この二人を今後どういう方向へもっていきたいのだろう、と自問自答した今回のSS(^_^;)
今回はたぶんおそらく先生口説きモードに入ってると思います。普段はあれこれ意味深なこと含ませるだけなのに、今回はいろいろな言葉がかなり直球……で楽しんでいただけると思います。あ、SSタイトルでエロい想像はしないでください(笑)

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 ++ 出さない ++

 高校生だから、廊下で偶然エッチな話題を聞いてしまってもおかしなことではない。
「エッチの時、先生だったらあちこち舐めてくれそう」
 でも、教師と生徒の二人からこんな会話が聞こえてきたら、えっ、と思って話題の主の顔を見てしまうのは当然のことだと思う。
「生徒に手を出す気はないから、君ともそういうことにならない。はい、終わり」
 『先生』と呼ばれたその人は私の顔を見るなり、相手の会話を強引に断ち切った。
 相手の生徒が不機嫌になっていく。
「なによ、それ。例えの話をしただけじゃん。彼氏いるから先生なんかに用ないし」
 先生のお腹を軽く叩いて、女子生徒が歩いていった。
 私も普通に廊下を歩いている生徒として、先生とすれ違おうとした。
「俺に質問?」
 腕を掴まれたと同時に、頭上から声が降ってきた。
「えっ……何も質問なんて……」
「今は時間がないから昼休みに社会科教室」
 戸惑う私を残して、先生は職員室へと向かっていく。
 約束と思っていいのかわからない言葉と、先生の声が耳に残っている。
 私はどうすればいいのか。先生はなんであんなことを言ったのだろう。


 ドアの鍵がかかっていたら、あの約束はなかったことにしようと思っていたのに、社会科教室のドアは私の手に逆らうことなく開いた。
「あ、本当に来た」
「質問とか何もないんですけど……」
「わかってる」私を手招きした先生はドアの鍵をかける。「俺が職権を乱用した」
 そこまでして、私に何の用があるのだろう。先生らしからぬ行動に淡い期待が芽生えてしまう。
 先生は教卓の椅子に座り、ここが落ち着く、と苦笑する。
 私は体をどう動かせばいいのかわからず、立っていることしかできない。
「休み時間、聞いてた?」
「ああ、まあ……エッチとか生徒に手を出さないとか、なら」
「基本的に俺は生徒に手は出さない。好んで出す勇気もないね。ただ、出さない可能性はゼロではない、と。君にはそれだけ言っておくよ」
 どうしよう。先生が強引に私を呼び出した理由、こんなことを私に言う理由――思い浮かぶ答えが一つしかない。うぬぼれだとしか思えないけど、頭からその答えが消えてくれない。
「私に、手を出すかもしれない?」
 襲われたらどうしよう、なんてとんでもないことまで考えてしまう。先生に限ってそんなことあるはずもないのに。
「君の場合は……出したら止まらないから出さない」
 先生は大人だからこんな言葉を平然と言えるのだろうか。淡い期待に拍車がかかる。
「それに……」先生はそこで少しだけ言葉を切った。「初めての子には優しくしないと」
「ど、どうして、初めてとか言い切れるんですかッ」
 あれこれ考えるよりも先に言葉が出てしまっていた。未経験を主張したようなものだ。
「違うなら謝るよ?」
 謝る気などさらさらなさそうな先生の表情。
 確かに私はエッチな経験は一度もない。ただ、こんなことを男性に言った経験もない。
「違いませんけど……」
 私が呟いたとたん、先生はドアに向かい鍵を開けた。
「まずいね……俺の気が変わらないうちに出て行って」
 先生の行動が突然すぎるから、やっぱり私はどうすればいいかわからない。
 出て行って、ということは何か先生の不快を煽ったのだろうか。
「私、何か変なこと言いました?」
「どう言えばいいのか……これ聞いたらすぐ出て行きたくなるだろうね」
 言葉の続きを待っていたら、直後、熱い息と共に先生の声がダイレクトに飛び込んできた。
「君のあちこちを舐めたくなった」
 何が起こったのか、何を言われたのかとっさに理解できず、先生の息が入ってきたほうの耳を慌てて塞ぐ。頭では理解していなくても、心臓の鼓動は体に響いてくるほど強い。
 先生はそんな私の反応を嬉しそうに見ている。
 うまく言葉にできないけど、とにかくこの場にいるのは体によくない。
「じゃ、あ……」
 かろうじて退室の言葉を口にしてドアを開け、私は逃げるように走る。
 期待はすでに一つの答えを出している。でも、先生は教師で大人。高校生とは違う経験と考えをもっている。私の少ない経験で安易に答えを出せば痛い目を見るかもしれない。
 期待と答えを押し込めようとすればするほど、先生に言われたいろいろな言葉が耳と頭によみがえってくるのだった――。


 ◇終◇


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読んでくださってありがとうございます。
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無題
いつも楽しませて頂いて、ありがとうございます♪ 何時になく、焦ったのかな?センセイ。
アノ台詞、きっと主人公の彼女よりチョットだけ(?)オネーサンな私の方がダイレクトにキたと思いまふ。(*^_^*)
ながの 2008/09/29(Mon)20:39:49 編集
Re:無題
お久しぶりです、ながのさん。こちらこそ、いつも楽しんでくださったうえに感想までくださってありがとうございます。
ながのさんの年齢は知りませんが……本当に「ちょっとだけ」オネーサンですか?私はかなりのオネーサンになるわけですが(笑)
軽いこと言ったりはするけれど、ちゃんと一線は守るという裏設定な白衣先生、楽しんでいただけたようで嬉しいです。
【2008/10/01 00:03】
おひさ~
来てみた。読んでみた。
いつもにこやかだが読めない先生を想像してみた。おそらく水月さんのイメージとは違うんだろうねー。
ストレートな物言いの人は好きですv
甘々セリフ連発も好きだが(笑)
んじゃね~
くさかべりょお 2008/09/29(Mon)21:41:08 編集
Re:おひさ~
久しぶり~。というかまさか日下部さんがコメント残すとは思わなかったのでものすごいびっくりした。ここ見てるなら言ってくれればいいものを(笑)
いつもにこやかながら読めない先生というのは、かなり私のイメージに近い。白衣先生のイメージとしてはアレよ、私たちが出会うきっかけになったあのゲームの少将殿を思い浮かべてもらえれば。あそこまで大人な感じではないけど近い雰囲気ではある。いい感じにはぐらかすところとか。
白衣先生シリーズ(?)は私にしては甘々セリフ連発だから日下部さんの好みにも合うんではなかろうか。よかったら「白衣」で検索してみてくださいな(笑)
【2008/10/01 00:07】
SS探しなどにどうぞ
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